2017 Fiscal Year Research-status Report
思春期女子の月経随伴症状への保健行動に関する因果的構造モデルの構築
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17K14046
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Research Institution | Aomori Chuo Gakuin University |
Principal Investigator |
外 千夏 青森中央学院大学, 看護学部, 助手 (60783579)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 思春期女子 / 保護者 / 月経痛 / 産婦人科受診 / LEP |
Outline of Annual Research Achievements |
学校における月経教育、主に月経随伴症状に関する学習内容を把握する目的で、H28年度現行の小・中・高等学校の学習指導要領とその解説および体育科・保健体育科の教科書における月経に関連する記載内容の文献研究を行った。結果、月経随伴症状に関する記載は少ないことが明らかとなり、月経随伴症状について保健指導で取り扱う一つの根拠とすることができた。結果は東北学校保健学会で2017年9月に発表し、論文を青森中央学院大学紀要に掲載した。 次に、月経痛に対する産婦人科受診とLEP内服を含めた思春期女子および保護者の意識について関連要因を把握する目的で、アンケート調査を行った。アンケート作成の際には、産婦人科医へのインタビュー調査を実施し、大学生11人にプレテスト行い、内容を修正した。アンケート調査の対象はA県内4校の高等学校に通う女子とその保護者であり、958組に配布した。結果、611組の回答を得た(回収率63.8%)。その分析結果を「調査報告書」にまとめ、高校教員用と生徒及び保護者用を作成し、アンケート協力校4校に配布した。配布数は計540部であった。現在、内容の分析をさらに進めているが、月経痛のために婦人科受診をしたことのある女子は数%であること、多くは母親の勧めで受診していることから母親の意識が重要なこと、母親は子の月経痛を子より軽度にとらえるという特徴があることなどが明らかとなり、月経困難症に対する思春期女子の保健行動を捉える上で重要な結果を得ることができた。 アンケート調査の際に、個人面談を希望した対象者(保護者)が7名おり、インタビュー調査を予定したが、希望者7人のうち3人に連絡が取れず、3人からは返信が得られなかった。返信のあった残り1人より協力の意思を確認したが、研究の詳細を送付した際に同意を得られず調査を中止した。今後はアンケート調査の結果公表を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H29年度の計画は、現行の学校や地域での月経教育の把握と質問紙の作成、思春期女子とその保護者に対する質問紙調査・インタビュー調査の実施であった。インタビュー調査は対象者の同意が得られず実施出来なかったものの、アンケート調査は終了しており、分析に十分なデータが得られていると思われる。また、研究協力者である産婦人科医には質問紙作成の際に協力を得られており、教育学部養護教諭課程教授や看護学部母性看護学教員にも定期的に、研究の進展状況の報告をし、協力が得られている。よって、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は学会発表と雑誌への論文投稿を予定している。また、思春期女子の月経困難症への保健行動と養護教諭の対応の因果関係の把握を目的に、中学・高等学校に勤務する養護教諭および保健体育の教員を対象にしたアンケート調査を予定している。
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Causes of Carryover |
当該年度の所要額内で、計画がおおむね順調に進展したが、協力校の都合によりアンケート調査の配布数が当初計画より少なくなったため。次年度は当該年度の研究成果の発表や、計画予定である養護教諭へのアンケート調査およびその成果発表に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)