2018 Fiscal Year Research-status Report
思春期女子の月経随伴症状への保健行動に関する因果的構造モデルの構築
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17K14046
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Research Institution | Aomori Chuo Gakuin University |
Principal Investigator |
外 千夏 青森中央学院大学, 看護学部, 助手 (60783579)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 女子高校生 / 母親 / 月経痛 / 婦人科受診 / LEP |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,H29年度に月経困難症による婦人科受診の実態と,保健行動への関連要因の把握を目的に行った思春期女子とその保護者を対象とした質問紙調査の分析,および結果の一部の発表を行った アンケートの回収数は611組(回収率65.6%)であった。その中から,月経痛により婦人科を受診した経験を持つ女子高校生とその母親(以下,受診経験者)18組と,月経痛により婦人科を受診した経験のない女子高校生と母親388組を(以下,受診未経験者)抽出し,分析対象とした。 結果,受診経験者は,受診率は2.9%と低く,初経後3~4年経過しての受診であることや,受診時に医師から治療用ピル(以下LEP)の勧めがあっても母親の反対で内服しなかった者もいた。LEPの内服期間は,「1年未満」が半数で,受診した女子高校生の8割が受診後も重度・中等度の月経痛であるが、LEPを使用していなかった。受診未経験者に月経痛が「中等度・重度」である者が22.2%おり,彼らは「受診が望まれる者」と思われた。また,月経痛により婦人科を受診することに,女子高校生と母親の6割は否定であり,女子高校生の月経痛による婦人科受診が行われない背景と示唆された。月経痛が重度・中等度の女子高校生のうち,母親に月経痛を軽く認識されている者が,受診未経験者で42.9%存在した。女子高校生の月経痛が母親でも十分理解することが困難であり,月経痛による婦人科受診が行われない理由の一つと推測された。 これらの結果により,思春期女子の月経随伴症状への保健行動に関する因果的構造モデルの構築にむけて示唆を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者がH30年7月~H31年2月に産休・育休を取得したことにより,同調査の分析と公表が滞っている。現時点で,H29年度に実施した思春期女子とその保護者に対する質問紙調査は終了し,一部の分析および公表は終了した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、昨年度までの分析結果について,雑誌への論文掲載が予定されている。また、H29年度に実施した思春期女子とその保護者に対する質問紙調査の多変量解析を行い,思春期女子の月経随伴症状への保健行動に関する因果的構造モデルを構築する。さらに結果を公表し,モデルに基づいた月経教育について提案,実施する。
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Causes of Carryover |
研究代表者がH30年7月~2月に産休・育休を取得したことにより,同調査の分析と公表が滞っている。よって,H31年度は調査の分析と公表を継続して行う予定である。
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Research Products
(1 results)