2019 Fiscal Year Annual Research Report
Transformation of Curriculum of Elementally School by New Philosophy Education
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17K14055
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
福井 駿 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 講師 (40758687)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 新しい哲学教育 / 学校設定教科 / 「てつがく」 / 問いを立てる / 教師の教科観 / 小学校カリキュラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,「新しい哲学教育」の導入によって小学校カリキュラムを学習者の自ら考える力を育成するものへと改革する理論を解明することを目的としている。そのための事例として,お茶の水女子大学附属小学校(以下,お茶小とする)の学校設定教科「てつがく」の導入を取り上げている。本年度実施した主なことは,次の3つである。 ①「てつがく」導入に関する,インタビュー調査,文献収集,授業観察の継続。特にインタビュー調査について,昨年度より調査対象を拡大し,お茶小のほぼ全教科の教員に対するインタビューデータを収集した。②成果の論文化。「てつがく」のカリキュラム上の位置づけとその機能について理論的考察を深め,日本教科教育学会の編集する『教科とその本質』の一部として発表した。また,お茶小における「てつがく」導入の歴史的社会的背景について,新しいデータも含めて再整理し,「近年のお茶の水女子大学附属小学校における学校カリキュラムの展開」として論文化した。③「てつがく」導入と他教科との関係付けの重要なファクターである教師の反応に注目し直し,インタビューデータ等の分析を行った。それによって解明したことは,次のようなことである。「てつがく」という新しい教科には,教科の重要な構造である問いの系列性や問いと子どもの経験との関係に動揺をあたえる側面があり,それらの論点と自身の日常的な実践を相互に位置づけ直そうとする形で,自身の担当している教科についての教科観の内省が起こっていた。この研究成果は,日本教育方法学会の研究大会で口頭発表した。
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Research Products
(4 results)