2019 Fiscal Year Research-status Report
発達障害のある大学生のタイム・マネジメントを支援するアプリケーションの開発
Project/Area Number |
17K14061
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
濱田 里羽 金沢大学, 高等教育開発・支援系, 助教 (10710262)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 大学生 / タイム・マネジメント / 発達障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
発達障害の特性があり,支援が必要な大学生が全国的に増えている。発達障害のある学生は,タイム・マネジメント上の困難が大きいことが指摘されている。本研究は,高等教育機関の障害学生支援部署で活用する発達障害のある大学生のタイム・マネジメント支援に特化したアプリケーションの開発と活用事例の提案を目的とする。 3年目となる令和元年度は,平成30年度に引き続き,発達障害のある学生を対象に,タイム・マネジメント上の困難や,個々の工夫,望まれるサポート,アプリケーションについての要望をインタビューにて聞き取った。 さらに平成30年度より試作している支援室と学生が繋がりながら使用する支援アプリケーションのパイロット版は,TODOリスト機能と時間管理を促すメッセージ機能を備えた。令和元年度にはこのアプリケーションについて,学生による試用と効果の測定,改善点の聞きとりを行った。アプリの使用により,課題の把握や確認および意識化,やり遂げられる課題の量について改善が確認され,アプリを用いた支援者との面談では課題の達成状況を明確にすることで,学生が状況を伝える際の負担の軽減や,支援者からの具体的なフィードバックに繋げることができた。 一方でTODOの表示方法や情報の整理,優先順位の表示,TODOの進捗状況の段階的な記録などにおいて改善点も指摘された。聞き取りにより挙げられた改善点に基づいて,現在,アプリケーションの改良を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和元年度は当初の予定通り,アプリケーションのパイロット版について,学生による試用と効果の測定,改善点の聞き取りを行い,改良に取り掛かることができた。また,これまでの調査結果の一部を学会発表にて発信することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は,アプリケーションの改良と学生による試用,効果と改善点についての調査を重ね,アプリケーションを完成させる計画である。また,これまでにアプリケーションを使用して行った支援の様子について,発信していく予定である。
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Causes of Carryover |
今年度計画したアプリケーションの改良に係る費用が,当初の見通しよりも低額となったため,残額は次年度の機能改良に充てることとする。
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