2017 Fiscal Year Research-status Report
知的障害のある思春期女子の月経教育プログラムの開発と効果の検証
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17K14069
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Research Institution | Tezukayama Gakuin University |
Principal Investigator |
津田 聡子 帝塚山学院大学, 人間科学部, 講師 (20616122)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 知的障害 / 月経 / 性教育 / 月経教育 / 特別支援学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は知的障害のある思春期女子の月経教育プログラムの開発とその効果の検討である。これまで知的障害のある思春期女子に対する月経教育の実態は、障害の程度や社会的文化的背景などの要因が関連し、ほとんど明らかになっていない。研究者自身が実施してきた研究では、月経発来から思春期女子本人がセルフケアを行うに至る過程での保護者の不安が大きいことが明らかになっていた。そのためこれら月経時の教育やセルフケア獲得に至る実態を把握するため、本研究1年目は特別支援学校担任と養護教諭に対してインタビューを実施し、これまでに対応した個別事例、全体で実施している月経教育等について調査した。その結果、協力の得られた教員・養護教諭から以下のような回答を得た。①月経時セルフケアに関して:数年前と異なりここ近年ではセルフケアに至るまでに困難であった事例はほとんど上がっていない。その背景には保護者・教員との連携が密にあったことが考えられた。②継続的な対応に関して:小学校では声かけや教師の観察、保護者の支援によってナプキン交換で失敗をしてしまう例は少ないものの、個々のケースによっては継続的なフォローが必要な場合もある。そのため中学校・高等学校時に再度セルフケアの確認を定期的にすべきである。③月経時の手当ての月経教育について:全体で行うというより、個別のケースに合わせて実施する。手当というより、人権教育に絡めた性教育の必要性がある。④教員や保護者の意識について:教員の意識の差、保護者の意識の差などの問題が関連してくるため、教員に向けた研修の必要性を感じる。このような結果から2年目の月経教育プログラムの開発に関して、誰を対象にどのような内容で行っていくか再度検討していく必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
知的障害の思春期女子の月経教育の実態について、インタビュー協力に同意を得るまでに時間を要した。しかし、1年目の年度末に人数に達したため細かな分析を現在行っている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
分析結果から、当初の研究計画として挙げていた月経時の手当てに関する女子本人への教育プログラムを作成していくか、教員に対する意識改革のプログラムを作成していくか再度検討し、2年目は教育プログラムを開発していく予定である。 また1年目の結果については学会で発表していく。
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Causes of Carryover |
インタビューを行った場所が近畿圏内に限られたため、旅費や人件費が予定より下回った。その分、次年度は、研究施設へ出向する回数が増えるためその使用に当てる予定である。
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