2022 Fiscal Year Annual Research Report
A study for resolution of educational problems of school-age children born preterm
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17K14071
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Research Institution | Kanagawa Children's Medical Center (Clinical Research Institute) |
Principal Investigator |
阿部 聡子 (野口聡子) 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 医師 (60792215)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 極低出生体重児の就学支援 / 極低出生体重児の学習支援 / 早産児の学童期フォローアップ |
Outline of Annual Research Achievements |
1)最終年度に明らかにしたこと ① 極低出生体重児のための就学支援パンフレット(先輩家族から寄せられた就学や学校生活の体験談67件、特別支援コーディネーターからのアドバイスを掲載)をフォロー外来で配布し保護者に読後調査を行った。2022年度末までに135家族に配布し63家族より回答を得た(回答率47%)。93%がパンフレットに保護者自身や児に役立つ情報があったと回答した。自由記載では思春期以降の対人関係や就労情報の要望があった。具体性の高い情報提供が求められていること、学童期以降のピアサポートの必要性が明らかになった。②超早産で早生まれ(1-3月)の児は予定日より早く生まれたことで就学が1年前倒しとなるため保護者が不安を表出することがある。早生まれ児の就学状況について非早生まれ児と比較した。6歳時IQ(ウェクスラー式知能検査全検査)平均値は早生まれ群の方が有意に高かったが、入学時に支援級を選択する割合は早生まれ群の方が有意に多かった。小学3年では支援学級の割合に早生まれ・非早生まれによる差がなかった。 2)研究期間を通して明らかにしたこと ①超早産児では就学以降も26%にIQの伸びや遅れがあった。神経発達症に伴う困難感は就学後に顕在化することがあり適切な学習環境であるか定期的な確認が必要である。保護者が児の発達特性を理解できるよう支援することも重要である。 ②極低出生体重児への学童期調査では学習支援へのニーズが多かった。知的発達が正常~境界域で通常学級に所属する児では学習に困難感を持ってもその背景が複合的であるために支援が受けにくいことが明らかになった。2018年以降、事例は限られるが医師、心理士、言語聴覚士による多角的評価により学校での具体的支援につなげることができており病院での学童期フォロー体制の充実により個々の児の発達特性をふまえた教育現場での支援に繋げられると考えられた。
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Research Products
(3 results)