2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K14086
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
廣谷 潤 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (80775924)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | カーボンナノチューブ / ナノ熱計測 / ナノセンサ / 界面熱抵抗 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、(1)浮遊触媒気相成長法により孤立した単層カーボンナノチューブ(CNT)を基板上に直接堆積させる技術の構築、(2)電子線描画と走査型電子顕微鏡(SEM)によるCNTの位置だし及び電極形成技術の構築、(3)熱計測を行うための白金ホットフィルムの作製と評価の3点に関して研究を行った。 1つ目の課題に対して、シリコン基板上にCNTを孤立した状態で堆積させるためのCNT成長条件の検討を行い、5ミクロン程度の長さのCNTを任意の基板上に堆積させる条件を見出すことができた。成長条件とCNT堆積時間を調整することで、孤立したCNT同士が交差したものも見つかっており、CNT-CNT間の界面熱抵抗計測を行うのに必要なCNTサンプル作製ができている。 2つ目の課題に対しては、まずシリコン基板上に事前に電子線描画と金属蒸着により、CNTの位置を正確に割り出すためのマーク形成を行った。その上でCNTを堆積させることでCNTの位置をSEMで正確に把握できる手法を構築した。さらに電子線描画の重ね描画によりCNT上に電極形成、及び熱測定用のナノ熱線センサの形成に成功した。 最後に3つ目の課題である白金ホットフィルムの作製に関しては、電子線描画条件を検討した結果、長さ15ミクロン、幅300nmの白金ホットフィルムを作製できた。超臨界乾燥法をデバイス作製工程に追加したことで、白金ホットフィルムをシリコン基板上にスティッキングすることなく高歩留まりで作製することができた。このホットフィルムを真空中で熱計測を行った結果、CNTの熱計測を行うのに必要なセンサ感度を有していることも確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CNTの熱計測を行うためのデバイス作製を行い一通りのプロセスを確立することができた。CNTの成長条件を詳細に検討したことで、1本1本が孤立したCNTやCNT同士が交差したものも少なからずできている。熱計測を行うための実験系も購入した電流電圧計測ユニット等の構築により組みあがっており、次年度以降の熱計測の準備が整っている。
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Strategy for Future Research Activity |
作製したデバイスを用いてまずはCNTの熱伝導率計測を行う。さらにCNTが交差したものの上に電極を形成した上で熱計測を行うことにより、CNT-CNT間の電気的接触抵抗や熱的な接触抵抗の測定につなげていく。 次年度は分子動力学法による熱整流作用検証シミュレーションも行う予定である。
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Research Products
(12 results)