2017 Fiscal Year Research-status Report
ナノ分子メカニクスを用いたバイオハイブリッドグラフェンナノポアセンシング
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17K14099
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川合 健太郎 大阪大学, 工学研究科, 助教 (90514464)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ナノポアセンシング |
Outline of Annual Research Achievements |
H29年度はDNA1分子から塩基配列を読み取ることができるナノポアシーケンサ(数nmの細孔を用いたイオン電流検出による塩基読み取り)の基盤技術開発のため、①「ヘリウムイオン顕微鏡を用いたイオンビーム加工による再現性の高いナノポア加工」、②「ハイブリッドナノポア形成のためのDNA自己組織化ナノ構造体作製」、③「グラフェンナノポアによるDNAセンシング」について研究を進めた。 ①について、ヘリウムイオンビームにおけるフォーカスとドーズ量による加工精度を調査し、DNAの塩基計測に最適な1.5-2nmのグラフェンナノポアを再現性よく形成できることを見出した。②について、ナノパターン形成のための3次元構造のDNAナノ構造体を設計・作製し、TEMで確認を行った。また、CVDグラフェンの間接転写、SiC基板への直接グラフェン成膜プロセスの改良を行った。③について、グラフェン膜上に形成したナノポアを用いてイオン電流によるDNAセンシングを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
グラフェンナノポアについては転写法による形成とSiCによる直接形成について研究を進め、自立膜形成のプロセスを確立した。ヘリウムイオンビームによるナノポア形成については数nmのナノポアをグラフェン単分子膜上に再現性良く形成するプロセスを確立した。また、ハイブリッド構造の基点となるDNAナノ構造体についても設計・作製を行うなど順調に進んでいる。一方、タンパク分子とDNAナノ構造体との結合や、CVD法によるグラフェン膜の直接形成については、歩留まりの低さや形成のばらつきといった課題が明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
H30年度は、塩基分子認識を可能とするグラフェンナノポアにおける超高感度検出の実現に向け、DNAナノ構造体とのハイブリッドナノポアと並行し、DNA伸長用ナノピラーアレイを集積化したハイブリッド構造形成の研究を推進する。ナノポアサイズとDNA通過速度を制御 し、イオン電流検出システムの改良と、DNAの通過特性計測を進める予定である。
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Causes of Carryover |
その他における共同利用設備での時間当たり利用料金の誤差分のため。
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Research Products
(8 results)