2019 Fiscal Year Research-status Report
Multi-physics topology optimisation in periodic domain for design of micro phononic crystals
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17K14146
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
飯盛 浩司 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (50638773)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | フォノニック結晶 / 波動デバイス / トポロジー最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
(具体的内容)本年度は、昨年度までに開発したトポロジー最適化法の改良を進めるとともに、これを用いた種々の波動デバイスの設計に取り組んだ。トポロジー最適化法自体の研究に関しては、レベルセット関数を定義する関数空間を変更することにより、より自然な形状表現が可能となった。このことにより、最適化アルゴリズム自体の収束性が大幅に改善された。本内容をまとめた論文については、国際誌への投稿を準備中である。設計への応用については、光学迷彩装置および開放型共振器の最適設計を行った。光学迷彩装置の最適設計においては、従来の手法では予め定めた観測領域における散乱場の最小化を行っていたのに対し、本研究では無限遠方における散乱場のエネルギーを表す散乱断面積を目的関数とする手法を構築した。このことにより、従来試行錯誤的に定めていた観測領域を設定する必要のない手法を提案することができた。開放型共振器の最適設計については、開領域で定義されたヘルムホルツ方程式の外部境界値問題の複素固有値のトポロジー導関数の評価法を構築した。このことにより、所望の複素固有周波数を有する開放型共振器の形状を求めることが可能となった。光学迷彩装置、開放型共振器のトポロジー最適設計に関する論文はともに日本計算数理工学論文集に掲載された。 (意義・重要性)本研究で開発した改良トポロジー最適化法により、種々の波動デバイスの最適設計において、これまでの性能を凌駕する、あるいはこれまでにない機能を持つ波動デバイスの設計案を求めることが可能となった。実際、前述の光学迷彩装置および開放型共振器がその顕著な例であり、設計工学分野における意義深い結果であると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フォノニック結晶を用いた波動制御のためのトポロジー最適化の開発およびその応用に関して、当初の予定とはやや異なる方向に研究が進んだものの、応用上重要なデバイスの最適設計法を構築することができた。さらに、トポロジー最適化自体の改良は、当初計画していなかった研究ではあるが、本課題の目的の達成に際して重要であったため実施した。結果として、より自然な定式化に基づく収束性の高い方法を構築することができ、高度な波動デバイスの最適設計が可能となった。一方で、申請持に予定していたphoxonic結晶の最適設計は未だ完了していない。上記を総合的に判断し、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
改良版形状表現に基づくトポロジー最適化法に関する論文を早期に公開することを目指すとともに、応用上重要な波動デバイスのトポロジー最適化に関する数値計算例を蓄積する。さらに、本研究を総括するとともに、より高度な微細フォノニック結晶の最適設計にむけたトポロジー最適化法の模索を行う。具体的には、広帯域な音波に対して有効な設計案を導出可能なロバストトポロジー最適化についての研究を行いたいと考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、本研究の成果を発表する予定であった国際会議が延期になったため。R3年度の早い段階で開催される学会において、発表を行うための旅費に充てる予定である。
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Research Products
(6 results)