2019 Fiscal Year Research-status Report
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17K14150
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岩成 勇 東北大学, 理学研究科, 准教授 (70532547)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 変形理論 / D加群 / 安定∞圏 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度中の当該研究者の研究概要を報告する. 18年度中から研究していたHochschild cochain複体とHochschild chain複体に入る代数的構造の論文を書き上げて2019年4月にArXivで公開した. 2019年は更に研究を進めた. ホモロジー的ミラー対称性を意識しながら、圏の族に対して豊かな数学的構造を見出すことを目標として研究を進めた. 2018年までに気づいていたことはファノ多様体のミラー双対として考えられるLandau-Ginzbergモデルの圏論的対応物は行列因子化の圏ではなくある群作用付き導来圏(正確には安定∞圏)であるということである. 上記のHochschild不変量の代数構造は群作用付き安定∞圏に適用できる簡明な構成方法になっている. 上記のHochschild不変量に対する代数構造は2色の色つきオペラッド(最初に考えた人にちなんでコンツェビッチソイベルマンオペラッドと呼ばれる)上の代数として記述されるものであるが, 2019年中にこれのモジュライ的解釈を与えた. (群作用もこめた)圏の変形に対する小平・スペンサー写像を構成した. さらにこの代数構造と構成した小平・スペンサー写像を組み合わせて, 導来代数的な自由ループ空間上の同変層が得られることを示した. これから圏の族に対して周期的巡回ホモロジー(を計算する)複体にD加群の構造が入ることを示した. これらにはKoszul双対性やFactorizationホモロジー、リー代数と変形理論の対応などを用いるが, 自然につながりが出てくるというのは更に深い数学的構造を予感させるものである. 得た結果とその拡張については論文準備中である. 2020年度中に更に研究を進めたい. これ以外にも研究活動をしたが字数がきたようなので別の機会にしたい.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調と記したのは、学内業務の忙しさにしてはうまく研究を進めることができたという意味である。
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Strategy for Future Research Activity |
応用を考えながら研究する。なるべく一般的な形でユーザーが使いやすく分かりやすい理論にまで発展させる
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Causes of Carryover |
当初出張あったものが、疫病の蔓延や私的な理由などにより不可能になったため。
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