2018 Fiscal Year Research-status Report
Vertex algebras as deformation quantization of jet bundles
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17K14151
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
桑原 敏郎 筑波大学, 数理物質系, 助教 (60524725)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 頂点代数 / アフィンW代数 / ハイパートーリック多様体 / 有理チェレドニック代数 / マッキー公式 / 表現論 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 平成29年度の研究においてある種のBRST簡約を用いてハイパートーリック多様体と呼ばれるハイパーケーラー構造を持つ代数多様体に付随する頂点代数の族を新たに導入・構成した。本年度の研究では、対応するハイパートーリック多様体がA型クライン特異点である場合や、A型リー代数の最小冪零軌道の閉包になる場合に対して、付随する頂点代数がA型サブレギュラーアフィンW代数、あるいはA型アフィンリー頂点代数の単純商に一致することを証明した。また、一般に我々の構成による頂点代数が頂点代数として単純であることを証明した。さらに、A型クライン特異点における頂点代数の層を変形することによって、一般のレベルのA型サブレギュラーアフィンW代数が得られることを示した。 2. 元良直輝氏(京都大学)との共同研究で、A型サブレギュラーアフィンW代数に対して自由場表示とスクリーニング作用素を利用してその頂点代数としての生成元を具体的に構成した。また、その応用として臨界レベルにおけるA型サブレギュラーアフィンW代数の構造を完全に代数的な方法で書き下した。 3. 平成29年度において宮地兵衛氏(大阪市立大学)・和田堅太郎氏(信州大学)との共同研究としてG(r, 1, n)型複素鏡映群に付随するヘッケ環と対応する有理チェレドニック代数の表現の圏におけるマッキー公式を証明した。本年度は両氏との共同研究により、マッキー公式を応用して有理チェレドニック代数の表現論を研究した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ハイパートーリック多様体に付随する頂点代数としてのA型サブレギュラーアフィンW代数の構成を研究した際に得られた知見などを基にA型サブレギュラーアフィンW代数の頂点代数としての生成元を具体的・代数的な形で構成することができた。元のA型サブレギュラーW代数の定義・構成はBRST簡約を用いた幾何学的・コホモロジー論的な構成であるため表現論の研究において扱いづらい部分があったが、より代数的な形で記述できたことで今後表現論の研究において成果を期待できる進展があったと考える。 有理チェレドニック代数の表現論についての共同研究では、年度前半に予定していた研究打ち合わせが自然災害の影響によって中止せざるを得ず、進展が危ぶまれたが3月に行った研究打ち合わせにおいて有望な進展を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
アフィンW代数の構造やその表現論について引き続き元良直輝氏と共同研究を行う。 また有理チェレドニック代数の表現論に関して宮地兵衛氏・和田堅太郎氏との共同研究も引き続き継続していく。 ハイパートーリック多様体に付随する頂点代数に対して、その表現論を研究してA型サブレギュラーアフィンW代数やA型単純アフィン頂点代数の表現論にも応用する計画である。
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Causes of Carryover |
研究経費の精算にあたり1万円以下の差額が生じた。次年度研究費と合わせて出張旅費などに用いる予定である。
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Research Products
(2 results)