2019 Fiscal Year Research-status Report
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17K14153
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
渡辺 究 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (20638176)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ネフ接束 / 等質多様体 / ファノ多様体 / 正標数 |
Outline of Annual Research Achievements |
宇都宮大学の鈴木拓氏と過去に行なったネフ対角線集合を持つ非特異射影多様体に関する論文が"International Journal of Mathematics"から出版された(https://doi.org/10.1142/S0129167X20500111)。また、昨年度研究結果を得た「ネフ接束をもつ余指数3のファノ多様体の分類」に関する研究結果を論文にまとめ、学術雑誌へ投稿をした(https://arxiv.org/abs/1904.10185)。こちらはまだ投稿中である。 今年度の目標の一つであったF4(3)型の有理等質多様体の特徴付けに関する研究をトレント大学に所属する共同研究者のG.Occhetta, L.E.Sola Conde両氏と行なった.元々我々が提唱したG/Bの特徴付けを用いた研究方策を用いることによりF4(3)型の有理等質多様体を特徴付けようと試みたが,証明するために必要だと考えられる幾何学的情報を得ることができず,現在もまだ未解決のままである. 一方,一般にネフ接束をもつ非特異複素射影多様体はエタール被覆の差を除いてアーベル多様体上の非特異ファノファイブレーションとして記述されることが,J.P.Demilly-T.Peternell-M.Schneiderによる94年の結果によって知られている.この結果と同様の結果が正標数の代数閉体上定義されたネフ接束をもつ非特異複素射影多様体に対して成立するか研究を行なった.特殊な場合に結果を得たが,余計な仮定をつけることなく証明することが今後の目標の一つである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2018年度までは順調に進んでいたが,2019年度に研究する予定であった以下の二つの研究について十分な結果を得ることができなかった: 1、F4(3)の特徴付け。 2、より一般的に任意の点におけるVMRTが射影同値であるファノ多様体の特徴付け。 上記2は1の大幅な一般化になっている。逆に言えば,1は最終目標であるCP予想と直接関係がある2の特殊な場合であり、1が解けなければ,一般的な仮定でCP予想を解決することは難しい。共同研究者とともに提唱したCP予想の解決方策自体は個々の例では正しいことが立証されているが、VMRTの幾何学的情報が豊富に得られてるとき以外は未だに手付かずである。
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Strategy for Future Research Activity |
主に以下の三つの方向性を考えている。 1、任意の点におけるVMRTが射影同値であるファノ多様体の特徴付け。 2、CP予想の仮定のもと,実際に任意の点における VMRTが射影同値であるか? 3、正標数の場合のDemailly-Peternell-Schneider型の定理。 1については2019年度から引き続いて取り組む。2についてはJ. Cao, A. Hoering両氏によるネフ反標準因子を持つ多様体の論文の手法を用いることにより研究を行う。3については,F-分裂のときに,Demailly氏らの手法を用いつつ,F-分裂多様体特有の結果を用いて研究を行う。
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Causes of Carryover |
計画していた国内外の出張が取りやめになったため。
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