2020 Fiscal Year Annual Research Report
Characterization of homogeneous varieties by means of tangent bundles
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17K14153
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
渡辺 究 中央大学, 理工学部, 准教授 (20638176)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 接束 / ネフ / 外積 / 正標数 / 等質多様体 / ファノ多様体 |
Outline of Annual Research Achievements |
主に二つの研究を行った.一つ目は接束の2次の外積がネフな非特異射影多様体の構造定理を得たことである.この結果はDemailly-Peternell-Schneiderによるネフ接束を持つ複素非特異射影多様体の構造定理(以下,DPS定理)の一般化とみなすことができる.また,接束の2次の外積がネフならば,接束がネフか多様体がファノであるかどちらかであることを示した.さらに,接束の2次の外積がネフな多様体の収縮射についても研究を行い,ファイバー型ならば非特異射であり,双有理型ならば射影空間の一点爆発であることを示した.この結果は,様々な結果の一般化になっている.これらの結果を論文にまとめ,arXivに投稿した.また,Advances in Mathematics から出版されることが決まっている.二つ目の研究結果は,DPS定理のアナロジーを正標数の代数閉体上定義されたネフ接束を持つ多様体に対して成り立つことを示したことである.この研究は京都大学(2021年4月より埼玉大学所属)の金光秋博氏との共同研究によって得られた.より具体的に述べると,正標数の代数閉体上定義された非特異射影多様体Xは接束が数値的に自明な射影多様体Mへの非特異射をもち,その射のファイバーはネフ接束を持つファノ多様体であることを示した.証明において正標数のフォーリエーションの議論を用いた.またこの主結果の応用として,フロベニウス射がmod p^2で持ち上がる多様体の構造定理を得た.これらの結果についても論文にまとめ,arXivに投稿した.現在,学術雑誌へ投稿中である. また、昨年までにアクセプトされていた論文 Fano manifolds of coindex three admitting nef tangent bundleがGeometriae Dedicataから出版された.
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