2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K14158
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
馬 昭平 東京工業大学, 理学院, 准教授 (80633255)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | K3曲面 / モジュライ空間 / ボーチャーズ積 |
Outline of Annual Research Achievements |
点つきK3曲面のモジュライ空間上の多重標準形式と直交型モジュラー形式の間の対応を与えた。特に非特異射影モデル上に拡張するような標準形式とカスプ形式が対応することを示した。帰結として、点の個数が増えるとモジュライ空間の小平次元が19で停止することを証明した。種数が小さい場合に小平次元の変わり目、特に負から非負への変わり目を具体的に調べるために、向井モデルによる幾何学的議論とボーチャーズ積による具体的なカスプ形式の構成でサンドイッチした。すなわち、前者によって小平次元が負になる範囲を調べ、後者によって小平次元が非負となる範囲を調べて比較した。その結果少なからぬ場合に正確なあるいはほぼ正確な変わり目を見いだすことができた。その過程で、種数10以下で、ボーチャーズ積のウェイトから19を引いた数が向井モデルに現れる表現空間の次元と一致することに気づいた。その背後に何があるのかが気になる。 また、この研究を一般の正則シンプレクティック多様体にも拡張した。その結果特に、4次元3次超曲面のファノ多様体の場合とDebbare-Voisin型の正則シンプレクティック多様体の場合に、小平次元の正確な変わり目を見いだすことができた。この場合でもウェイトと表現の次元の関係を探したものの、4次元3次超曲面と平面6次曲線の間の間接的なスイッチ等式を観察したにとどまった。 それから、高次元マニン・ドリンフェルト定理の帰結として、古典的なモジュラー多様体の高次チャウ群の非零な元を構成することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
幸運にも短期成果主義から距離をとって自分のペースで数学できたから。
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Strategy for Future Research Activity |
ボーチャーズ積のウェイトと表現空間の次元の間の等式の背後に何があるのか探る。
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Causes of Carryover |
節約できたため。その分、次年度は書籍の購入や研究集会への出張などに使う予定である。
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Research Products
(5 results)