2019 Fiscal Year Research-status Report
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17K14161
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大久保 俊 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 助教 (20755160)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | p進微分方程式 / Gauss-Manin接続 / Picard-Fuchs equation |
Outline of Annual Research Achievements |
1:前年度では、Chiarellotto-Tsuzuki予想の証明をした。Chirellotto-Tsuzuki予想は、単位円盤上定義されたFrobenius構造付きp進微分方程式の解空間の2つのfiltrationの一致を示すものである。前年度の証明では2つの包含関係に分けて証明していたが、本年度は、これを1つの枠組みで証明する見通しのよい方法がえられた。これらの知見を反映させ、Chiarellotto-Tsuzuki予想の証明に関するpreprintを大幅に改訂した。
2:上記のpreprintでは、annulus上定義されたFrobenius構造付き可解p進微分方程式に対して、Chiarellotto-Tsuzuki予想の類似の証明をした。本年度は、可解性の仮定をはずした場合にも類似の定理がなりたつことがわかった。これらの結果をまとめたプレプリントを執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
結果はえられている一方、腰を据えて問題を考える時間が十分なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要2で述べた意味での、Chirallotto-Tsuzuki予想の類似の応用を探すことを目標にする。具体的には、曲線上のoverconvergent F-isocrystalや、Dwork族のような、代数多様体の族のPicard-Fuchs加群を考察する予定である。
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Causes of Carryover |
令和2年3月、新型コロナウイルスの影響により、参加を予定していたConference on Arithmetic Algebraic Geometryが中止されること判明した。研究遂行上、学会参加による情報収集が不可欠なため、代替の学会が開催されるまで延期する必要が生じた。
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Research Products
(2 results)