2023 Fiscal Year Annual Research Report
Research on combinatorial descriptions of dual defects of toric varieties
Project/Area Number |
17K14162
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
伊藤 敦 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 准教授 (90712240)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 双対欠損 / トーリック多様体 |
Outline of Annual Research Achievements |
複素数体上においては,トロピカル幾何を用いたトーリック多様体の双対欠損の記述が知られている.最終年度は正標数の場合にトロピカル幾何の観点から双対欠損の記述を得られないかを調べたが特に進展は得られなかった.したがって研究期間全体を通して本研究の目的であったトーリック多様体の双対欠損についての結果を得ることは残念ながらできなかった.一方でその研究を行う中で以下のような結果が得られた. ・代数幾何の手法を用いたコンピュータビジョンの研究:三浦真人氏,植田一石氏との共同研究で,いくつかの画像からもともとの図形の形状を復元するという再構成定理の代数幾何的な別証明を与えた. ・アーベル多様体の研究:代数多様体の射影空間への埋め込みが与えられた時,その定義多項式の間の関係式やその関係式の間の関係式等はシジジーと呼ばれる.直線束と部分アーベル多様体との交点数などを用いて,「n番目までのシジジーが単純になる」ための具体的な条件を与えた.また三浦真人氏,大川新之介氏,植田一石氏との共同研究でアーベル多様体やK3曲面の導来圏に関する研究も行った. ・セシャドリ定数の研究:セシャドリ定数とは代数多様体上の直線束の正値性を測る不変量である.Florin Ambro氏との共同研究で,その一般化であるi番目のセシャドリ定数を定義し,トーリック多様体の場合に多面体の逐次最小という不変量との関連を調べた. ・ファノ多様体XのK安定性に関する研究:自己同型群が簡約でないファノ多様体のK安定性に関するCodogni氏とDervan氏の予想の反例を,具体的なある3次元トーリックファノ多様体を用いて与えた.
|