2019 Fiscal Year Research-status Report
New development of the theory of noetherian rings using spectra of abelian categories
Project/Area Number |
17K14164
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
神田 遼 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 特任講師 (50748324)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | Grothendieck圏 / ネーター環 / アトム・スペクトラム / Feigin-Odesskii楕円代数 / 点スキーム / 射有限群 |
Outline of Annual Research Achievements |
Grothendieck圏は環上の加群圏とスキーム上の準連接層の圏の共通の一般化である。与えられたGrothendieck圏に付随する位相空間であるアトム・スペクトラムを調べること、特にアトム・スペクトラムが自然に持つ構造を利用してGrothendieck圏の特徴を捉えることが、本研究における主たる目標の1つである。 次数付き代数に対しては点スキームと呼ばれる概念が定義されるが、これはアトム・スペクトラムにおいて最も基本的な部分を描写したものと考えられる。研究代表者はAlex Chirvasitu氏およびS. Paul Smith氏との共同研究において、FeiginとOdesskiiによって導入された楕円代数の点スキームが含む代数多様体の構造をより精密に調べ、プレプリントとして発表した。また両氏とともに、この代数多様体を用いて定義される代数と、Feigin-Odesskii楕円代数の間に密接な関係があることを明らかにし、プレプリントとして発表した。この結果の帰結として、一部のFeigin-Odesskii楕円代数に対して、その関係式の幾何学的記述を与えることができたため、これを利用したさらなる研究の進展が期待される。Alex Chirvasitu氏との共同研究においては、無限射有限群上の離散加群のなすGrothendieck圏が、非自明な射影対象を持たないこと、およびその圏においては直積の完全性が成り立たないことを証明し、プレプリントとして発表した。この結果は無限射有限群上の離散加群のなすGrothendieck圏が、通常の環上の加群圏とは大きく異なった特徴を有することを示すものである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Feigin-Odesskii楕円代数に付随する代数多様体の研究、無限射有限群上の離散加群のなすGrothendieck圏の研究のいずれにおいても結果を出すことができ、これらを計3本のプレプリントとして公表することができたことが理由である。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた結果をより発展させる。特に、Alex Chirvasitu氏およびS. Paul Smith氏と共に、Feigin-Odesskii楕円代数に関する研究を継続する。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルスCOVID-19の影響により、予定していた研究者の招へいを中止したため、次年度使用額が生じた。次年度使用額については、これに代わる研究活動を実施するための旅費および必要な物品の購入に充てる。
|