2021 Fiscal Year Annual Research Report
New development of the theory of noetherian rings using spectra of abelian categories
Project/Area Number |
17K14164
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
神田 遼 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (50748324)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Grothendieck圏 / アトム・スペクトラム / モレキュール・スペクトラム / Feigin-Odesskii楕円代数 / ネーター代数 |
Outline of Annual Research Achievements |
Grothendieck圏は環上の加群のなす圏およびスキーム上の準連接層のなす圏の共通の一般化であり、与えられたGrothendieck圏に対して定義される種々のスペクトラムを調べることが本研究の主たる目標の1つであった。これらのスペクトラムのうち、研究代表者が特に注目してきたのが、直既約移入対象と深い関係にあるアトム・スペクトラムと、閉部分圏を用いて定義されるモレキュール・スペクトラムである。アトム・スペクトラムとモレキュール・スペクトラムの両方の観点からGrothendieck圏の被約性・既約性を調べ、2つのスペクトラムの関係を明らかにした研究代表者の論文が、学術雑誌に掲載された。また、アトム・スペクトラムの元の間に自然に定義されるExt群を用いて、局所ネーター的Grothendieck圏における局所化部分圏が移入包絡について閉じることの特徴付けを与えた研究代表者の論文についても、学術雑誌に掲載された。 研究代表者は中村力氏との共同研究で、Enochsの可換ネーター環に対する結果を一般化し、一般に非可換なネーター代数上のflat cotorsion加群の同型類が、ネーター代数の素イデアルを用いて完全に記述されることを示した。この結果は、これまで可換ネーター環に対して展開されてきたflat cotorsion加群を用いた理論がネーター代数に対しても展開できることを示唆しており、新たな研究の萌芽となる成果である。 Alex Chirvasitu氏およびS. Paul Smith氏とは、FeiginとOdesskiiによって導入された楕円代数に関する研究を継続した。この楕円代数に対する非自明な同型写像をモジュラー性の観点から明らかにし、その成果をプレプリントとして発表した。
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