2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K14168
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
木村 嘉之 大阪府立大学, 高等教育推進機構, 教育拠点形成教員 (10637010)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 標準基底 / 量子座標環 / クラスター代数 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、一般の対称化可能カッツ・ムッディー型リー環に付随する旗多様体の有限次元シューベルト胞体と有限余次元シューベルト胞体との共通部分で定義される開リチャードソン多様体の特別な場合である,冪単胞体の座標環に関する捻り自己同型の量子類似に取り組んだ。 捻り自己同型を有限次元冪単部分群とずらしたガウス胞体との共通部分の座標環との捻り同型写像と自然な同型写像の合成へ分解し、それぞれの量子類似を構成することで、自然な同型写像の量子類似として、De Concini-Procesiによる有限型の場合の量子Schubert胞体の同型写像を一般化し、また、Demazure加群の標準基底を調べることで、捻り同型写像のJoseph-Yakimovによる量子類似と同定した.また、構成の中で、それぞれが双対標準基底を双対標準基底に移すことを示し、以前から得られていた結果の精密化を行った.双対標準基底を保つ自己同型写像として、捻り自己同型の量子類似を得ることができた。 De Concini-Procesiによる有限型の場合の量子Schubert胞体の同型写像を一般化することで,Berenstein-Rupelによる量子Schubert胞体上の量子クラスター代数構造の構成に関する予想を一般的に解決した. また,対称型の場合には、Geiss-Leclerc-Schroerによる前射影多元環を用いた量子クラスター代数の加法的圏論化に関する結果を援用することで、量子クラスター単項式を保つことが証明された。 結果は,現在投稿中である.(大矢浩徳氏との共同研究) 有限次元Demazure加群の標準基底ではなく、無限次元Demazure加群の標準基底を用いて、余次元有限な無限次元副冪単部分群の量子座標環とのJoseph-Yakimovによる同型写像の変種を構成した。この結果については現在検証をおこなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
捻り同型写像のJoseph-Yakimovによる量子類似を、無限次元Demazure加群を用いて構成される余有限次元シューベルト胞体の量子座標環と余次元有限な無限次元副冪単部分群の量子座標環との双対標準基底を保つ同型写像へは、一般的な開Richardson多様体の量子座標環の解析をする上で、不可欠であり、大きな進歩になりうると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
開Richardson多様体の量子座標環およびその量子クラスター代数構造は、Lenagan-Yakimov, Leclerc, 柏原-Kim-Oh-Parkらによって、活発に研究されているが、Lenagan-Yakimovによる定式化とLeclercによる定式化には、若干の齟齬があるように思われる。開Richardson多様体の捻り自己同型およびその量子類似を調べることで、それの関係を明確にし、開Richardson多様体の量子座標環の双対標準基底に関する結果を得たい。
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Causes of Carryover |
予定していた海外研究集会への参加を取りやめたため、旅費充当分を消化しきれなかった。 本年度は可能ならば、海外共同研究を含め、海外渡航を行いたい。
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Research Products
(4 results)