2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K14168
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
木村 嘉之 大阪府立大学, 高等教育推進機構, 教育拠点形成教員 (10637010)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 量子クラスター代数 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,極大緑列(maximal green sequence)および赤化列(reddening sequence)に関するクラスター代数およびクラスター多様体の自己同型に関する研究を行った. 極大緑列および赤化列は,変異の特別な列であり,量子二重対数の恒等式や,Donaldson-Thomas不変量と関係があることが知られている.また,対称化可能カッツ・ムッディー型リー環に付随する旗多様体の有限次元シューベルト胞体と開胞体との共通部分である冪単胞体の捻り自己同型は,その例として知られている. 大矢浩徳氏との共同研究において、冪単胞体の捻り自己同型の量子化を構成しており,(局所化された)双対標準基底が保たれていることを示していた.その結果の一般化として,共通三角基底およびその部分集合であるクラスター単項式が,極大緑列および赤化列に付随する自己同型で保たれていることを予想している. Fan Qin氏との共同研究において整合対とよばれるクラスターA多様体のポアソン構造を保っていることを示した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
捻り自己同型のクラスター代数的な構成は行われたが, その量子化である量子クラスター代数および量子捻り自己同型はまだ構成されていない. また,量子二重ブリュア胞体及び量子開リチャードソン多様体の場合に, 量子捻り自己同型の量子群の表現論を介した内在的構成, 双対標準基底(および共通三角基底)の導入, 量子捻り自己同型による安定性に関してはまだ進展がない.
|
Strategy for Future Research Activity |
構成した捻り自己同型の量子化およびその性質を調べる. 特に,共通三角基底の量子捻り自己同型での安定性を示すことで,様々な量子クラスター代数の基底に関する問題を解決する.
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で出張予定が全てキャンセルになったため、旅費の未使用分が出て次年度使用額が生じた。 研究を遂行するためのオンライン研究集会,情報収集および研究打ち合わせを行う環境整備や,新型コロナウイルスの感染状況が好転して,出張が可能になった際には,旅費として利用したいと考えている.
|
Research Products
(1 results)