2018 Fiscal Year Research-status Report
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17K14174
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
並川 健一 九州大学, 数理学研究院, 助教 (10757066)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 数論 / 岩澤理論 / 保型表現論 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) Harris-Soudry-Taylorのテータ関数の研究に一区切りをつけ, 論文を投稿した. 結果の一部としては, テータ関数のFourier係数が部分的には整となること, およびその法pでの非消滅条件を与えた. 一方で, T. Bergerによるcohomologicalなテータ対応の研究でもその整性が示されている. 今回の結果で得られた整性とBergerによる整性の整合性などについても考察を行なっている. (2) 研究目的に掲げた浅井L関数の岩澤理論的な研究の一環として, p進浅井L関数の構成をした. 先行研究として, B. Balasubramanyam, D. Loeffler-C.Williamsの研究があったが, これらの研究の精密化を行い, 構成したp進L関数が, 補間公式などCoates-Perrin-Riouの予想で期待されるような性質を満たすことを証明した. ただし所謂Manin合同式の証明については, 研究中の状況にある. (3) GL(3)やGL(3)×GL(2)などの場合について, p進L関数についての先行研究を精査し, その精密化のための要点をまとめた. とくにこれについて国際研究集会で概説講演を行い, 当該分野の研究者と情報交換を行った. GL(3)やGL(3)×GL(2)などの特別な場合でも, 精密なp進L関数が得られていない状況にあるが, p進浅井L関数の研究手法の応用が期待できるため, これらの研究にも着手した. (4) 引き戻し公式の研究にも着手した. 先行研究にある引き戻し公式の応用では, その補正項の取り扱いが困難な点だった. これについてp進L関数の構成の応用として解決する見通しをたてた. とくにGSp(4)×GL(2)のp進L関数の構成について, 情報収集を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Harris-Soudry-Taylorのテータ関数についての論文を投稿したこと, 研究課題の研究目標に挙げたp進浅井L関数の構成に一区切りつけられたことより, 研究は“おおむね順調”とするのが妥当と判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
p進L関数の構成, 肥田族の構成に注力する. とくにp進L関数の構成については, 当初研究目的に挙げた対象以外にも進展が望めそうな状況にある. ここに時間を割くことも妥当と考えている. また引き戻し公式による肥田族の構成にも着手する.
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Causes of Carryover |
予想より航空券を安く購入出来たため, 出張費を抑えることが出来た. 次年度はすでに複数の海外出張が決まっているため, 次年度使用経費は, このための出張費に充てたい.
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Research Products
(4 results)