2020 Fiscal Year Research-status Report
有限次元多元環のホッホシルトコホモロジーのBV-構造についての研究
Project/Area Number |
17K14175
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Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
板垣 智洋 高崎経済大学, 経済学部, 准教授 (80756487)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ホッホシルトコホモロジー / BV-構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
多元環のホッホシルトコホモロジーは導来同値の不変量として重要な研究対象であり、豊富な代数的な構造をもっている。特に、Gerstenhaber構造とよばれるリー代数構造が存在することが知られている。対称多元環や中山自己同型が対角化可能なフロベニウス多元環などの一部の多元環に対しては、そのホッホシルトコホモロジー上に、Gerstenhaber構造を誘導するBatalin-Vilkovisky構造(BV-構造)が存在することが発見された。さらに、対称多元環に関しては、そのホッホシルトコホモロジー上のBV-構造は導来同値の不変量であり、多元環の表現論においてその重要性が認識されている。一方、ホッホシルトコホモロジー上のBV-構造の具体計算例は多くない。 本研究課題の目的は、多元環のホッホシルトコホモロジー上におけるGerstenhaber構造を誘導するBV-構造の存在について解明し、その構造を研究するための手法を開発することである。特に、フロベニウス多元環の中山自己同型が対角化可能でない場合を考察し、具体計算例を増やすことが目的である。 本年度は、多元環のホッホシルトコホモロジー上におけるBV-具体計算例を増やすことを目的に、多項式増大型の対象多元環のあるクラスについて、その両側射影分解を具体的に表記し、ホッホシルトコホモロジーの加群構造を決定した。また、対角化可能でない中山自己同型をもつ自己入射的中山多元環のホッホシルトコホモロジー上のGerstenhaber構造を誘導するBV-構造の存在ついて考察を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
多項式増大型のあるクラスに対して、ホッホシルトコホモロジーの加群構造は決定できた一方で、本年度の目標であった、対角化可能でない中山自己同型をもつ自己入射的中山多元環のホッホシルトコホモロジー上のBV-構造の存在については大きな進展はなかったから。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度計算した多項式増大型のあるクラスのホッホシルトコホモロジーについて環構造、BV構造を決定する。また、対角化可能でない中山自己同型をもつ自己入射的中山多元環のホッホシルトコホモロジー上のBV-構造の存在の考察を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、予定していた研究打ち合わせや研究集会などが中止、またはオンラインとなったため、次年度使用額が生じた。新型コロナウイルスが収束し対面による研究集会や研究打ち合わせが可能となった場合は旅費に使用する。一方、感染拡大が続く場合はオンライン環境を整え、オンラインでの円滑な研究打ち合わせや研究集会への参加のために使用する。
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