2021 Fiscal Year Annual Research Report
Geometry of discrete groups and its applications
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17K14178
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 亮吉 京都大学, 理学研究科, 准教授 (80629759)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 離散群論 / ランダムウォーク |
Outline of Annual Research Achievements |
指数増大度を持つ従順群の例として離散アファイン群を導入し、その上の有界調和関数の研究を行った。この群の有限台を持つ確率測度に駆動されたランダムウォークのポアソン境界、Hilbert圧縮定数、熱核の対角での挙動、L1-等周プロファイルを決定した。この成果は2021年度に出版された。この研究課題は当初の計画に組み込まれていたものであり、具体的な成果として出版することが出来た。また1次元の離散円周においてGlauber-Exclusion過程の混合時間の研究を行った。この過程が単調であるという仮定の元で、流体力学的極限における方程式の反応項が狭義凸ポテンシャルを持つときに高速混合性を証明した。成果はプレプリントにまとめ公開している。これは当初の研究計画の1つである統計力学模型についての研究についてのものである。さらにグロモフ双曲群上のランダムウォークから定まる調和測度とパターソン・サリヴァン測度の比較についての研究に継続して取り組んだ。これはオートマティック構造を用いた記号力学系の研究として押し進めてきたものである。これまでの研究において平均歪み度という量を導入して、この量と指数増大度が距離のペアの擬相似性を決定する(歪み不等式の等号成立条件が必要十分条件になる)ということを示すことができた。この成果はプレプリントにまとめ公開している。現在その研究で用いた手法を整備し適用範囲を広げる方向の研究を行っている。
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