2020 Fiscal Year Research-status Report
`Nice' partitions and eigenvalues of the Laplacian
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17K14179
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
船野 敬 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (40614144)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | pラプラシアン / Cheeger不等式 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラプラシアンの固有値は熱方程式・波動方程式・シュレディンガー方程式などの数理物理に現れるような偏微分方程式の解を理解するのに重要であるだけではなく、近年では極小曲面論のつながりでも幾何学的に重要となってきている。また効率の良い経済的なネットワークの構築にも固有値は重要な役割を果たしている。本年度は非線形pラプラシアンの固有値の間の普遍不等式に関する研究を行った。具体的には非負リッチ曲率を持つ閉リーマン多様体上で非線形pラプラシアンの固有値の間の普遍不等式が通常のラプラシアンの固有値の間の普遍不等式のように成立するかについて研究を行った。通常のラプラシアンの場合はE.Milmanによって得られた第一固有値と等周定数の間の関係式と改良型チーガー不等式を用いることによりこの普遍不等式は得られていた。E. Milmanによって得られていた不等式はpラプラシアンの第一固有値の場合にも成立することがわかるので改良型チーガー不等式についてpラプラシアンの場合に成り立つか研究を行ってある程度進展が得られた。具体的には、pラプラシアンの第k固有値と第1固有値、等周定数の間に関係式があることがわかった。これらの結果は私が知る限りでは非線形ラプラシアンの場合の普遍不等式で初めて得られたものであり意義があるものと思われる。また埼玉大学の櫻井陽平氏との共同研究で昨年得られたラプラシアンの固有値の部分集合の言葉を用いた上からの評価に関する結果が数学の論文雑誌に受理され、掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は論文執筆までは至らなかったためこの区分とした。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は非負リッチ曲率を持つリーマン多様体上のラプラシアンの固有値の間の普遍不等式について次元削減の手法を応用する。次元削減は有限距離空間の埋め込みに用いられてきたが解析学への応用を試みたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの蔓延のため当初予定していた研究会参加ならびに研究打ち合わせの出張がなくなってしまった。今年はコロナウイルスの蔓延が収まり次第研究打ち合わせ等の出張に使用したい。
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Research Products
(2 results)