2022 Fiscal Year Research-status Report
`Nice' partitions and eigenvalues of the Laplacian
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17K14179
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
船野 敬 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (40614144)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ラプラシアンの固有値 / 凸領域 / 領域単調性 / リッチ曲率 |
Outline of Annual Research Achievements |
ノイマン境界条件下でのラプラシアンの固有値(以下、ノイマン固有値と呼ぶ)の領域単調性について空間の分割を用いて研究を行った。前年度得られたユークリッド空間の二つの有界凸領域に関するノイマン固有値の領域単調性に関する証明に不備が見られたので修正をした。具体的には凸領域と球体の共通部で混合境界条件を課したときにラプラシアンの第一固有値の上からの評価をすることにより二つの凸領域に関する領域単調性を示すことができた。ラプラシアンの固有値と固有関数は熱方程式などの偏微分方程式の解の情報を知るうえで重要かつ基礎的であり領域単調性の今回の結果は領域の包含関係により解がどうなるかの一つの情報を与えるので意義はあると思われる。これら偏微分方程式の解への応用は今後の課題である。また領域単調性を示す際に用いた手法は球体によって良い被覆を取り、そこから空間の良い分割を作るといったものであった。この手法はこの研究課題題名と合致しており、研究実施計画通りに進んでいると思われる。領域単調性の証明の際に用いた球体によって良い被覆を取る手法を用いて非負リッチ曲率を持つリーマン多様体のノイマン固有値に関する上界を得ることができた。このノイマン固有値の評価はポリヤが提起した予想と関連していて、その予想が凸領域の場合に普遍定数倍で成り立つことがわかった。これは私が知る限りでは今までリーマン多様体の領域に関するノイマン固有値の体積を含めた評価の中ではベストな評価となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
領域の分割を用いたラプラシアンのノイマン固有値の領域単調性の結果をえたのとノイマン固有値のポリヤ予想に関連した上からの評価を得たため。
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Strategy for Future Research Activity |
外側の領域を固定したとき、領域単調性の不等式の最良定数を求める研究を行う。具体的には平面内の正方形あるいは円盤に対して、領域単調性を示す。その際に領域ごとに適した分割を取るか固有値に関する新たな不等式を導くなどして示していく予定である。領域単調性に関連して領域を固定したときにそれに含まれる凸領域の中でラプラシアンのノイマン固有値を最大化する領域についての存在、特徴づけの研究を行う予定である。
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Causes of Carryover |
2022年度も対面での研究集会が少なくまたコロナ禍ということもあり対面での研究打ち合わせも少なかった。コロナが収まりつつあるため書籍や研究会、研究打ち合わせの出張費として使用していく。
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