2020 Fiscal Year Research-status Report
特殊なホロノミー群を持つ多様体の錘特異点を持つ部分多様体の研究
Project/Area Number |
17K14181
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
河井 公大朗 学習院大学, 理学部, 助教 (60728343)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | モジュライ空間 / 変形理論 / dDT接続 / Cayley equality / associator equality |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)Spin(7)-dDT接続の変形理論 Spin(7)-dDT接続とは、Spin(7)構造をもつ多様体上の deformed Donaldson-Thomas 接続の略称で、Cayley 部分多様体のミラー対称性における対応物である。新しいSpin(7)構造を導入することで、 Spin(7)-dDT接続の変形は、canonical complex とよばれる楕円形複体の部分複体で記述できることを示した。またある条件下のもと、Spin(7)構造を摂動するとそのモジュライ空間は滑らかな多様体になることを示した。 (2)体積汎関数のミラーの研究 Cayley, associator equality はSpin(7),G2幾何の基本的だが有用な等式である。フーリエ向井変換を用いてそのミラー版を予想し、実際それが成り立つことを示した。これにより、dDT接続は calibrated submanifold やSpin(7),G2-instanton と同じような性質を多くもつことが確かめられた。(例えばdDT接続はミラー体積の最小を与え、その値は位相的に与えられること、あるいはホロノミー群が還元したときの対応など。)加えて、(ある適当な条件のもと)平坦束のdDT接続は平坦接続しかないことを示した。更に、体積汎関数のミラーの負の勾配流(通常の平均曲率流のミラー)を定義し、その短時間存在と一意性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特異点の解析はできなかったが、Spin(7)-dDT の変形理論や)体積汎関数のミラーの研究など新たな方面へ理論を展開できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
特異なdDT接続を調べるために、コンパクト性定理が成立するか調べる。また具体例の構成についても考える。
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Causes of Carryover |
感染症の世界的な流行により、参加を予定していた研究集会がことごとく中止またはオンライン開催となったため、予定よりも旅費の使用が少なくなった。翌年度はパソコン等を購入し研究成果のとりまとめを行う。感染症が収束してきたときには、出張等も行うようにする。
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Research Products
(9 results)