2021 Fiscal Year Research-status Report
Study on the convexity of intersection bodies of a convex body with radial centers
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17K14191
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
坂田 繁洋 福岡大学, 理学部, 講師 (30732937)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 凸体 / 交差体 / 凸性 / 動径関数 / 輻射中心 / 三角形 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の対象は、n次元Euclid空間内の交差体とよばれる星体(有界な開集合の閉包で星形のもの)である。交差体は、凸体(有界な開集合の閉包で凸なもの)Kからあるレシピに従って作られる。交差体は、凸とは限らない。本研究の大きな目的は、交差体が凸になるための十分条件を与えることである。交差体の凸性の研究成果として、例えば、Busemannの定理「原点対称な凸体の交差体は凸である」が知られている。本研究の目的の1つは、原点対称でない凸体から凸な交差体を構成することである。 2018年度までに、Kを、星体Lの内点pに関する動径平行体(Lをpに関して外側動径方向へ膨らませたもの)として、動径平行体の半径(膨らませる幅)を十分大きくとれば、Kは凸になり、Kの交差体も凸になることを示していた。ただし、Lのpに関する動径関数に2回連続微分可能性を仮定した。2019年度と2020年度は、Lのpに関する動径関数の2回連続微分可能性を仮定しないで同じ結論を得ようと試みた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、予定していた研究活動(特に、国外の研究者との意見交換)を行えず、研究を2021年度へ延長した。2021年度も新型コロナウイルスの変異株の感染拡大により、当初予定していた研究活動を行えなかったが、文献調査を中心に研究活動を行い、Lのpに関する動径関数の2回連続微分可能性に一応の決着を付けた。また、2018年度までに得ていた定理を見直し、球に近い凸体の交差体は凸であることを新たに示した。これは研究開始時点で予想していなかった成果である。 関連する研究として、凸体の輻射中心の初等幾何的研究も継続した。三角形の輻射中心の位置を、初等幾何的に(辺と角により)記述した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当該研究課題を開始した時点では、国内外(特に国外)の研究者との対面での意見交換・情報交換により、技術的困難を解消し、研究を進展させる予定だった。しかし、新型コロナウイルスの変異株の感染拡大により、県境をまたいだ移動(したがって、外国への渡航)の自粛が求められ、対面での意見交換・情報交換の機会を設けられなかった。国内外の研究者との意見交換・情報交換に代わる研究活動として、オンラインセミナーへの参加や文献調査を行ったが、進捗は予定を下回った。
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Strategy for Future Research Activity |
文献調査により活路を見出すことができたので、今年度の研究を継続して推進する。オンラインセミナーへの参加も継続して行う。関係する研究者とのオンラインでの打ち合わせも実施する。新型コロナウイルスの変異株の感染状況を伺いつつ、当初の予定通り、国内外の研究者との対面での意見交換・情報交換の機会を可能な限り設け、研究を推進する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの変異株の感染拡大を防止すべく、県境をまたいだ移動を大幅に制限した。これにより、当初予定していた国内外(特に国外)の研究者との打ち合わせを中止し、打ち合わせのための旅費を使用しなかった。 新型コロナウイルスの変異株の感染状況を伺いつつ、当初の予定通り、国内外の研究者との対面での意見交換・情報交換の機会を可能な限り設ける。繰り越した予算は、そのための旅費に充てる予定である。または、オンラインセミナーへ参加するための機器や文献調査のための資料の費用に充てる。
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