2018 Fiscal Year Research-status Report
Combinatorial constructions of invariants of manifolds with group actions
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17K14196
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
黒木 慎太郎 岡山理科大学, 理学部, 准教授 (90433309)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | GKM多様体 / GKMグラフ / トーラスオービフォールド / 旗Bott塔 / Gale dual / 同変コホモロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目標はトーラスが作用する空間の不変量を調べたり、具体的に構成することであった。2018年度はこの研究に関連する以下の結果を得た。 KAISTのJongbaek Song氏とXi'an Jiaotong-Liverpool大のAlastair Darby氏と共同で、トーラスオービフォールドの同変コホモロジーの環構造を、GKM理論を応用して決定することができた。その結果をまとめて現在査読付きの雑誌に投稿中である。 この研究で得た結果は二つの国際会議『Glances at Manifolds 2018』と『第45回変換群論シンポジウム』で講演した。また、この研究の過程で、不動点が二つだけのトーラスオービフォールドに関してもいろいろと結果を得ることができた。例えば、不動点が二つの場合のトーラスオービフォールドの位相型等を決定することができた。それらの結果は、昨年度講演した国際会議『EACAT2017』の査読付きのプロシーディングスに掲載された。 KAISTのEunjeong Lee氏とDongYoup Suh氏に加え九州大学の鍛冶静雄氏と共に、flag Bott towerの研究を進めた。flag Bott towerはトーリック程大きくはないが豊富なトーラス作用を持つ空間として定義することができる。特にflag Bott towerの定義をより一般のLie型の場合に拡張し、その同変コホモロジー環の具体的な記述を得た。論文は2019年度の始めに完成し査読付きの雑誌に投稿中である。 また、2018年度まで修士課程の学生だった行藤綾杜氏とともにGKMグラフのGale dualを定義しその性質に関して研究した。この研究は岡山理科大の松村朝雄氏との共同研究に引き継がれ現在鋭意研究中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度から2019年度初めにかけて、論文を3本投稿することができた。うち1本は国際会議のプロシーディングスに掲載された。また、本研究を始める動機の一つとなったGKMグラフのラベルの拡張に関する論文が査読付きの雑誌に掲載された。
2018年度から始まった研究も現在順調に進行している。どの研究もトーラス作用の拡張問題にかかわるものである。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は特に、2018年度に院生と定義したGKMグラフのGale dualに関する研究を進めたいと考えている。この研究はGKM多様体上へのトーラス作用の拡張作用の研究に直接かかわってくる研究で、本研究課題の目標を遂行するためにも理解が必要不可欠と考えている。この研究では、修士論文発表会の際に岡山理科大の松村朝雄氏が過去に導入したアイデアが使えるかもしれないとの助言があり、現在共同で研究が進行中である。共同研究を通して、本研究課題の目標であった、GKMグラフのラベルの拡張に関する不変量の新しい解釈ができると期待できる。
また、2019年度末の2020年3月にはカナダのFields Instituteでトーリックトポロジーに関する国際会議で講演する予定である。GKMグラフのGale dualに関する研究は、その会議の講演に間に合わせたいと考えている。会議開催中に、トロント大のYale Karshon教授との進行中の共同研究も進めたいと思っている。
他に、11月に松村朝雄氏と大阪市立大学の枡田幹也氏とともに、トーリックトポロジーの国際会議を開催する予定である。国内外から様々な研究者を招待する予定なので、その際に他の研究者達とも情報交換を行いたいと思っている。
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Causes of Carryover |
国内旅費として少し残しておいたのだが、思ったほど金額がかからなかったので少額だが次年度へ使用することとなった。4000円くらいなので、近場の大学に講演に行く時や文房具の購入に充てたいとと思っている。
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