2021 Fiscal Year Annual Research Report
Combinatorial constructions of invariants of manifolds with group actions
Project/Area Number |
17K14196
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
黒木 慎太郎 岡山理科大学, 理学部, 准教授 (90433309)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | GKMグラフ / 同変コホモロジー / トーリック超ケーラー多様体 / GKM多様体 / 同変ベクトル束 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である今年度は、前年度から始まったUma氏との共同研究であったleg付きのGKMグラフに関する論文が査読付きの論文に掲載が決まった。プレプリントはarXiv:2106.11598で見ることができる。最終的な結果として、同変コホモロジー環の公式だけでなく、GKMグラフのposetから定まるshellableというある種の分解を用いて、加群としての生成元を見つけることができた。また、その生成元の構造定数も決定することができた。ShellableとはMorse関数を使ったセル分解の組み合わせ版と思うこともできる。このアイデアは、Guilleminn-Zaraの初期の論文にも表れていたが、非コンパクトなグラフで行うのは本研究が最初ではないかと思う。 他にも、Solomadin氏と行っている同変ベクトル束のGKMグラフからの研究に関しても、結果の一つを数理解析研究所の講究録でアナウンスした。この結果では、GKMグラフ上のベクトル束という概念とその射影化を定義し、射影化して得られたGKMグラフの同変コホモロジーを計算した。これはLeray-HirshやBorel-Hirzebruchの結果の組み合わせ論版と思うこともできる。講究録では応用の一つとして、旗多様体を複素射影空間上のベクトル束の射影化と思った場合の同変コホモロジー環の計算も行っている。現在は、Solomadin氏とともに、査読付きの論文に投稿するために論文を執筆中であり、2022年度中の完成を目指している。 本研究の目的は『群作用を持つ多様体の組み合わせ的不変量を構成する』ことであった。これらの研究はいずれもGKMグラフへの幾何的な対象の翻訳ではあるが、例えばUma氏との研究では翻訳を通して同変コホモロジー加群の生成元を見つけることができた。これはGKMグラフから幾何への一つの応用と言える。
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