2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K14197
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
直川 耕祐 広島工業大学, 情報学部, 准教授 (60740826)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 特異点 / カスプ辺 / 交叉帽子 / 燕の尾 / カスプ状交叉帽子 / 可展面 / 離散化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,特異点をもつ曲面の離散化に必要な(滑らかな曲面の)微分幾何学的性質を明らかにするとともに,その離散的対応物の研究を行うことを目的としている.2022年度は2021年度からの研究の継続により,主に特異点をもつ滑らかな曲面に関する成果を得た.具体的には以下の通りである. (1) 2021年度よりの継続として,本田淳史氏,佐治健太郎氏,梅原雅顕氏,山田光太郎氏と共同で,Zakalyukinの補題の一般化を行った.すなわち,2つの波面の像が一致するとき,ある一般的な条件の下で写像芽としての右同値が成り立つという主張を,波面の一般化であるフロンタル曲面に対して拡張した.応用として,燕の尾やカスプ状交叉帽子の幾何学的対称性に関する結果も得た.本研究の成果は論文として発表済みである. (2)また,2021年度よりの継続で,上記4人との共同研究として,交叉帽子の対称性に関する研究も遂行した.本研究では,3次元Eulclid空間内の交叉帽子特異点のまわりにおいてBruce-Westの標準形による局所座標について,ある種の一意性が成り立つことを示した.応用として,その標準形を用いて交叉帽子の幾何学的不変量を取り出すことができ,その不変量によって交叉帽子の幾何学的対称性を特徴付けることができるという成果も得た.本研究の成果も,論文として発表済みである. (3) 今後の展開として,離散可展面の特異点に関する研究についても継続中である.離散化された可展面で得られた成果を滑らかな可展面に応用する研究も遂行する計画である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響により,当初予定していた研究成果の発表,研究交流の機会に制約を受けた一方で,特異点をもつ曲面の幾何学的対称性に関する研究が進んだことから,おおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
特異点をもつ曲面の幾何学的性質の研究を継続しつつ,その離散化についても研究を推進する所存である.
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Causes of Carryover |
2021年度に引き続き,新型コロナウイルス感染症の影響を受けたため.2023年度は研究交流および研究成果を国内外に発表する旅費への使用を計画している.研究に必要な計算機およびソフトウェアの更新にも使用する予定である.
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