2018 Fiscal Year Research-status Report
Constructing exact solutions to discrete and ultradiscrete equations by studying combinatorial structure.
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17K14199
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中田 庸一 東京大学, アイソトープ総合センター, 特任助教 (40584793)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 可積分系 / セルオートマトン / 離散凸性 |
Outline of Annual Research Achievements |
Max, ±演算のみから構成される方程式(超離散方程式系)について、その厳密解を求める研究を行っている。これまで解が初期値について2つの自由度を持ち、か つLaurent性を持つ超離散方程式系の初期値問題について、解を凸多角形に対応させ、方程式を凸多角形間の関係式に置き換えることにより厳密解を得ることを行った。2018年度には無限個の頂点およびquiverを持つクラスター代数によって表現される2独立変数以上の離散・超離散方程式系について、その解の持つ数学的によい構造が何かという問題について組合せ論的観点から解答を与えることを試みた。 研究の結果として該当する超離散方程式のあるクラスの解がもつ構造に着目したとき、その離散凸性に根ざした構造に着目することにより、方程式が解を満たすことの証明の一部について、対応する離散方程式系と平行した議論ができることが分かった。これにより超離散可積分系における解の持つよい構造とは何かという問の答えが一部得られたと考えられる。ただしこの結果では具体的な解の情報を利用していないため、それら用いたさらに強い結果が得られるか調べたところ、解が方程式を満たす理由の残りの部分についても理解が得られた。以上の結果から、超離散方程式系における可積分性とは何かという本研究のテーマについてある程度の結論を得たと考える。現在その結果をまとめ、何らかの形で公開できるようにしている。 また超離散方程式系と深い関わりのあるセルオートマトンモデルについての解析を行い、その結果を論文として提出した。手法は力学系解析における有名な手法の超離散近似と捉えることができ、本研究のツールとしても役に立つ可能性を持っていると考えられる。 また2017年度の結果については国際研究集会Symmetries and Integrable Differential Equations 13 (SIDE13)にてポスター発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実績概要にある通り超離散系における可積分性とは何かという本研究のテーマについてある程度の結論が得られたと思う。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度以降は、これまで得られた成果について形にすることに力を注ぐ。また別な角度からとらえ直し、より本質に近づけるよう努める。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じたのは当該年度は雇用形態の関係で科研費での出張ができなくなったため。 研究促進のための資料作成のための人員派遣、人を呼んでの研究打合せなどに使用する。
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Research Products
(1 results)