2019 Fiscal Year Annual Research Report
Convex Analysis on Orlicz Spaces and Applications to Mathematical Finance
Project/Area Number |
17K14210
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
尾張 圭太 立命館大学, 理工学部, 助教 (10616460)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Orlicz空間 / Mackey位相 |
Outline of Annual Research Achievements |
期間全体を通じて数理ファイナンスの問題に動機づけられた双対Orlicz空間の構造,主にMackey位相にまつわる諸問題について検討した. 双対Orlicz空間の(ノルム)有界列に関する新しいKomlos型定理(算術平均の良い収束に関する定理)を示し,それを用いて凸部分集合がMackey位相で閉であることとorder closedであることが同値であることを示した.またそれを用いて凸汎関数(特に数理ファイナンスの凸リスク測度)のある表現定理を証明し,またOrlicz空間の位相構造に関するいくつかの性質を示した(Delbaen and Owari, 2019, Positivity).
最終年度は,主にΔ2型Orlicz空間のSWCG性(strongly weakly compactly generated)の問題についての新しい可能性として,Astashkin (2019, Comtemp. Math. Vol. 733)等による関連のある話題(Dunford-Pettisの定理のある種の一般化が成り立つような関数空間の特徴付け) に関する研究から,Δ2条件より強い∇3条件がOrlicz空間がL∞でSWCGである必要十分である可能性について検討した(十分であることはわかっている).しかし前述の論文の関連する定理の証明にギャップがあることがわかり,それが埋められるギャップかどうか検討したが,結論には至らなかった.これは今後継続して検討したい.
また,本研究の新しい応用分野として経済の連続時間・一般の確率空間における一般均衡の存在問題について検討した.
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