2019 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the Navier-Stokes equations by maximum norms
Project/Area Number |
17K14217
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
阿部 健 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (80748327)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ナヴィエ・ストークス方程式 / 外部問題 / ストークス半群 / リュービル型定理 / 軸対称解 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では非線形ナヴィエ・ストークス方程式の初期値問題について, 最大値ノルムを用いた解析を行った. 具体的な課題は (1) 有界関数空間でのストークス半群の最大値ノルムの時間無限大の評価, (2) 非線形外部問題への応用, (3) 軸対称解の正則性の問題などである. 課題(1)については空間次元が3次元以上の場合に熱半群からの摂動で時間無限大のL_{infty}評価が得られることが, マレモンティ(2014), ボルカート・ヒーバー(2015) などにより報告されていたが, 本研究ではジャ・セレギン・スベラック(2012) によるリュービル型定理と水町(1984)によるネットフォースを用いた解の表示公式を組み合わせる全く異なる証明を与えた. これにより未解決であった2次元の場合をネットフォースが消える場合に部分的に解決した. この結果は JFA (2020)から出版された. この問題はその後ネットフォースが消えない場合も完全解決し, プレプリントとして纏めた. 課題(2)については本研究初年度に2次元外部問題の時間大域可解性をディリクレ積分有限な有界初期値に対して証明した. この問題についてはその後PR解の安定性について進展があった. 課題(3)については全空間におけるナヴィエ・ストークス方程式の軸対称旋回なし解の時間大域存在とその粘性極限の研究を行い, L_p可積分初期値に対して時間大域解が存在し粘性極限でオイラー方程式の弱解に収束することを証明した. この結果はManuscripta Math (2019)とJMPA(2020)から出版された. またセレギン氏と軸対称旋回あり初期値に対して時間大域解をシリンダーの外部で構成する研究を行った. この結果はPRSEから出版予定である.
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