2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K14224
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
齋藤 平和 電気通信大学, 情報理工学域, 准教授 (30754882)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 二相流 / 最大正則性 / 半群 / レゾルベント問題 / ナビエ・ストークス方程式 / ナビエ・ストークス・コルトベーグ方程式 / 弱問題 / 楕円型問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.界面が非コンパクトな場合の線形化問題の解表示において,留数部分に対応する項の時間減衰評価を示した. 2.界面がコンパクトな場合の非線形問題に対する時間大域的可解性を示した. 3.二相弱問題に付随する二階楕円型偏微分方程式(二相強問題)の解の一意存在を示した.二相強問題は全空間において考察し,二相の界面が次のように与えられている場合を扱った.(i) 平面 (ii) 平面を少し曲げて得られる曲面 (iii) 有界領域の境界.また,外力の正則性が高い場合には,二相弱問題の解が二相強問題の解になることを示した. 4.非すべり境界条件を伴うナビエ・ストークス・コルトベーグ方程式に付随するレゾルベント問題を考察し,有界領域と外部領域の場合に対してレゾルベント評価を示した.いずれの場合も自明な定常状態まわりでの線形化問題に対応するレゾルベント問題を扱った.有界領域の場合には,圧力の微分係数が負になる場合も込めて,指数安定な解析半群を得るために十分なレゾルベント評価を導出した.外部領域の場合には,圧力の微分係数が非負の場合に対して,複素平面の右半平面から減点近傍を除いた領域にレゾルベントパラメータが含まれるときに,一様なレゾルベント評価を導出した. 5.すべり境界条件を伴うナビエ・ストークス・コルトベーグ方程式に付随するレゾルベント問題を半空間上において考察し,R-有界な解作用素の存在を示した.また,R-有界な解作用素の存在の系として,線形化作用素が解析半群を生成することを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.界面が非コンパクトな場合の解析は少し遅れている.留数部分に対応する項の時間減衰評価が得られたので,現在は留数部分以外の項の時間減衰評価を計算中である. 2.界面がコンパクトな場合に関しては,当初計画していた研究を遂行することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
1.界面が非コンパクトな場合の解析を進める.まずは,留数部分とその他の部分の解析をまとめて,線形化問題に付随する半群の時間減衰評価を導く.さらに,得られた半群の時間減衰評価を用いて非線形問題の時間大域的可解性を明らかにする. 2.有界領域におけるナビエ・ストークス・コルトベーグ方程式(非すべり境界条件の場合)に対する時間大域的可解性の研究を行う.また,外部領域の場合に対して,半群の時間減衰評価を導出する.
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Causes of Carryover |
研究機関の変更に伴い,海外出張を1件キャンセルする必要が生じたため.次年度使用額は旅費として使用する予定である.
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