2019 Fiscal Year Annual Research Report
クールワールドにおける系外惑星探査とキャラクタリゼーション
Project/Area Number |
17K14246
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河原 創 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (90649758)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 系外惑星 / 惑星大気 / 惑星形成 / 長周期惑星 / 高分散コロナグラフ / 惑星マッピング |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、以下にあげる成果を創出した。 1.ケプラー衛星・長周期惑星のカタログの完成:ケプラーデータの中から、1-3回しかトランジットを起こさない長周期惑星をGPUを用いた検出を行い、計67個の長周期惑星を同定した。この結果によると半径にして海王星サイズのものが1 AU付近に多く存在することが分かった。これは、マイクロレンズによる晩期型星まわりの結果が、太陽型星まわりにおいても成り立つことを示しており現在の惑星形成論では説明の難しい観測結果となっている。この結果はKawahara and MasudaとしてAJに出版された。 2.直接撮像による地球型惑星の表面推定法は、我々が2010年に二次元地図の推定法(SPin-Orbit Tomography)を提唱して以来、さまざまな改良がなされてきた。今回は、スパースモデリングにより、さらに解像度を上げる方法と表面組成のスペクトルを仮定無しに同時推定する手法(Spin-orbit Unmixing)の二種類を定式化し、実際の地球の長時間観測データに適用することでその有効性を実証した。前者はAizawa, Kawahara, FanとしてApJに、後者はKawahara(単著)としてApJにてそれぞれ出版された。 3.PRV法による新しい惑星大気検出法として我々が2014年に提唱したHigh-Dispersion Coronagraph (HDC)を可能とする装置をすばる望遠鏡のSCExAOとIRDを接続するプロジェクトREACHを通じて作成し、2019年夏にファーストライトを行うことに成功した。REACHはすばる望遠鏡の共同利用が可能な装置として運用を開始した。
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