2018 Fiscal Year Annual Research Report
Probing relationship between young planet and protoplanetary disk by ALMA
Project/Area Number |
17K14258
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
橋本 淳 国立天文台, 光赤外研究部, 特任助教 (20588610)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 原始惑星系円盤 / 電波干渉計 / 近赤外線 / 系外惑星 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、大型電波望遠鏡ALMAを用いて遷移円盤天体の固体微粒子とガスの空間分布、および若い惑星に付随する周惑星円盤を詳細に解析することで、形成途中にあると考えられる若い惑星に関する知見を得ることである。最終年度にはALMAサイクル5の採択課題のデータが届けられ、0.05秒角を切る高空間分解能の円盤構造を明らかにすることができた。特に、おうし座DM星においては、6天文単位(0.04秒角)というこれまでにない高い空間分解能で円盤構造をとらえることに成功し、原始ミニ太陽系とも言える、我々の太陽系とよく似た円盤構造を描くことができた。この成果は、査読論文および天文学会において記者会見を行い、広く公表した。一方で、研究期間全体を通じ、ダスト円盤の詳細な構造は得られたものの、その構造を励起したと考えられる惑星自身および惑星を取り巻く周惑星円盤の直接検出には至らなかった。さらなる高感度観測が必要である。また、一酸化ガスの微細構造から惑星質量を間接的に見積もろうとしたが、ガス円盤にそのような微細構造を検出することができなかった。ガスそのものが光学的に厚く、微細構造を見通せなかった可能性が高い。ただし、惑星との重力相互作用で生じたと考えられるガスの速度分散が増加している兆候や、内縁円盤が外縁円盤に対してねじれている構造などを発見することに成功し、査読論文として受理された。これらの成果は、惑星の質量や軌道などを、ガスの密度構造から見積もることができなくても、その速度構造から間接的に導出する手法として期待される。ALMAサイクル6においても高空間分解能の観測提案が採択されており、ガスの速度構造に着目し、若い惑星に関する知見を得ることを引き続き行いたい。
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