2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a light collection system using total reflection type lens for supernova relic neutrino observation at Super-Kamiokande
Project/Area Number |
17K14266
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池田 一得 東京大学, 宇宙線研究所, 助教 (90583477)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ニュートリノ / 超新星爆発 |
Outline of Annual Research Achievements |
アクリル板に空気層を持った集光システムは、加工費が増えることにより、低コスト化が困難になった。そこで、インジウムミラーを使った集光システムの検討を開始した。インジウムは、粘性が強く加工がしやすいため、アクリル板に蒸着させてから曲げ加工をすることが可能である。さらに、そのように作成されたインジウム蒸着アクリル板は屋外看板でも使用されているように耐久性は十分高いと考えられる。試験セットアップを作成し、インジウムミラーの評価を行った。評価では、加速試験として、60℃の0.2%硫酸ガドリニウム水溶液中に長期間浸し、反射率の変化を測定した。その結果、2年後(加速ファクターを考慮すると6年の浸水に相当)に反射率の有意な変化は認められなかった。平行して、シミュレーションを使った検出器性能の見積を行った。その結果、集光システムにより観測される光子数が1.25倍になり、エネルギー分解能の向上が期待できることが確認された。また、懸念事項の一つであった時間分解能の悪化による事象発生点再構成における位置分解能の悪化について確認を行った。その結果、数MeVの低エネルギー領域では観測光量の増加により、集光システムありの場合で位置分解能がよくなる傾向が分かった。一方、数100MeV-1GeVの高エネルギー領域では、位置分解能の悪化が見られる。これは、集光ミラー導入による時間分解能の悪化だけでなく、集光ミラーでの反射光が光電子増倍管でさらに反射し別の光電子増倍管で観測されることによりチェレンコフリングパターンがぼやける影響も考えられる。以上の通り、今回のシミュレーションにより、集光ミラーによる検出器性能の向上を確認し、今後の課題をはっきりさせることができた。
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Research Products
(1 results)