2018 Fiscal Year Annual Research Report
Probing warm dark matter with a magnetic moment
Project/Area Number |
17K14269
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
稲田 聡明 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 特任研究員 (20779269)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 暗黒物質 / 磁気モーメント / ファラデー回転 / スピンフィルタ / 光共振器 / パルス強磁場 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、磁気モーメントを持ち、質量がkeVからMeV程度に軽い暗黒物質の探索を行う。中性子をはじめとして、複合粒子に対しては一般に粒子自体は電気的に中性であっても磁気モーメントはゼロでない。磁気モーメントを持つ暗黒物質の探索は、質量100GeV程度のCDMに対してはスピン依存性のある原子核反跳を検出する実験により制限が得られている。質量がより軽い場合、原子核への運動量移行が小さくなるため、光学的なファラデー回転を検出する本研究により実験的制限を与えることができる。
本実験の主な要素は、1)ファラデー回転を検出するための光学系及び2)Stern-Gerlach型スピンフィルタとして機能する磁場発生系である。課題期間においてこれらの開発を行った。光学系については、本測定が数ヶ月にわたるためファブリペロー共振器の長期安定性が重要であり、昨年度に引き続きその改良を行った。電磁石については磁場強度が大きいほどより微小な磁気モーメント並びにより大きな質量に対し感度が向上する。そのため磁場領域は小さいものの瞬間的に強磁場を発生可能なソレノイド型パルス電磁石を開発した。またその性能評価を行い、室温で20T、液体窒素冷却時(77K)では23Tのピーク磁場を繰り返し発生可能であることを確認した。さらに窒素ガスを用いた感度の較正を行い、期待通りの性能を確認した。これらにより、本測定を開始するのに十分な環境を整えた。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] High magnetic fields for fundamental physics2018
Author(s)
R. Battesti, J. Beard, S. Boser, N. Bruyant, D. Budker, S. A. Crooker, E. J.Daw, V. V.Flambaum, T. Inada, I. G. Irastorza, F. Karbstein, D. L. Kim, M. G.Kozlov, Z. Melhem, A. Phipps, P. Pugnat, G. Rikken, C. Rizzo, M. Schott, Y. K. Semertzidis, H. H. J. ten Kate, G. Zavattini
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Journal Title
Physics Reports
Volume: 765-766
Pages: 1~39
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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