2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K14304
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
山内 大介 神奈川大学, 工学部, 助教 (10624645)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 宇宙ひも |
Outline of Annual Research Achievements |
宇宙ひもの宇宙における進化において、組み換えという現象が非常に重要な役割を果たすことが知られている。宇宙ひもの組み換えを通じて宇宙ひもはパートナーを入れ替えることによりループを生成する。そのループが重力波もしくは別の粒子を放出することでループが収縮し、エネルギーを別の場に転換することが出来る。これにより、観測と矛盾することなく宇宙ひものネットワークは存在することが可能になる。しかし、組み換え過程は宇宙ひもを構成する素粒子模型に強く依存しており、宇宙ひもを通じて高エネルギー物理現状に迫るためには、多様な宇宙ひも模型に対して解析を行うことが必須となる。特に、宇宙ひも間に働く力の正負は宇宙ひもの性質を決める重要な因子となる。引力が働く場合には、宇宙ひもどうしがくっつき、高い巻き付き数を持つ宇宙ひもを生成しうるため、通常知られたものとは全く異なるシナリオを描き得る。
本年は基礎過程の解析を推し進め、より現実的な素粒子模型のもとでの宇宙ひもの基礎過程の解析を行った。近年の素粒子理論の研究の進展により、アクシオンと呼ばれる粒子が宇宙ひもを構成している可能性が多く模索されている。アクシオンが宇宙ひもを構成している場合、検討されていなかった場の結合から宇宙ひもどうしが引力を持つ可能性がある。この場合にはこれまでの理解が一変する可能性があり、重要となりえる。本研究については現在論文としてまとめているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解析的な評価についての研究については現在結果を取りまとめており、おおむね順調に推移していると考えている。その一方で、申請書に記載した研究計画のうち、観測的探求に関する研究については実行することは出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに申請に記載の解析計算に関する研究課題については、順調に推移しており、今後をこれを維持し、さらなる発展を目指す。観測データを用いた解析については、解析に用いる模型の検討に関する進捗に遅れがあるため、速やかに実行に移すよう努力する。
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Causes of Carryover |
当初予定していた各種の国際学会や研究集会への参加が難しくなったため。次年度においては繰り越した予算を用いてデータ解析用のPCを購入し、研究計画の推進に用いる予定である。また、国際学会および研究集会に参加し、国内外の関連する施設への訪問を行っていく。
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Research Products
(12 results)