2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K14304
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
山内 大介 神奈川大学, 工学部, 助教 (10624645)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 宇宙ひも |
Outline of Annual Research Achievements |
宇宙ひもの宇宙論的ネットワークの進化は、宇宙ひもの間に働く力の有無によって大きく影響を受けると考えられる。これまでほとんどのシミュレーションを含む先行研究においては宇宙ひもの間に働く相互作用は無視できる場合にのみ行われてきたため、観測に向けた理論予言はそのような特定の場合にのみ適用可能となっていた。しかし、多様な宇宙ひものタイプを網羅的に探究するためには、さまざまな相互作用を取り扱うフレームワークの構築が必要となる。本年は、より現実的な素粒子模型のもとでの宇宙ひもの相互作用について研究を行った。特に、宇宙ひもを構成する素粒子間での相互作用として量子論的なものまで含めた解析を初めて行い、宇宙ひもの相互作用の大きさを見積った。宇宙ひもの量子論的な側面まで踏み込んだ解析はほとんどなく、その結果は本研究課題を大きく推進すると期待できる。本研究については現在論文としてまとめている。
また、宇宙ひもは宇宙最初期において相転移の際に生成することが知られている。その相転移のタイプによっては真空泡の中に我々の宇宙が生成する模型が存在する。このような模型を観測的に峻別する研究を並行して行った。特に、このような模型は暗黒エネルギーとも関連しており、それぞれが密接に関連している可能性を示唆しており、重要だと考えられる。本研究により、宇宙が量子的に生成する模型が銀河探査や宇宙マイクロ波背景輻射などによって観測可能であることを初めて示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
宇宙ひもの相互作用に関する研究については現在結果を取りまとめている。また観測的な研究についても成果を論文として出版している。一方で、ループや小スケール構造の解析モデルの開発については実施するには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在研究を推進している解析研究に関しては内容を取りまとめ次第論文として出版する。また、遅れているループ・小スケール構造に関する研究については速やかに実施する。
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Causes of Carryover |
2020年2月および3月に当初参加を予定していた研究会が新型コロナウィルス感染症の蔓延によって延期および中止になり、研究会参加費用分を2020年度分に繰り越すこととしたため。
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Research Products
(13 results)