2021 Fiscal Year Annual Research Report
Testing early Universe model by precise measurement of cosmic strings
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17K14304
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
山内 大介 神奈川大学, 工学部, 助教 (10624645)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 宇宙ひも / 宇宙マイクロ波背景輻射 |
Outline of Annual Research Achievements |
宇宙ひもは、その大きな重力により宇宙全体にわたって密度揺らぎのみならず、ベクトル型・テンソル型揺らぎと呼ばれる特有な揺らぎをもたらすことが知られている。ベクトル型・テンソル型揺らぎは宇宙マイクロ波背景輻射のBモード偏光にその影響を見ることが出来ることから、宇宙マイクロ波背景輻射の偏光に関する定式化は宇宙ひもの観測的検証において重要となる。しかし、その揺らぎの定式化は非線形であるためこれまでなされてなかった。本研究においては、宇宙マイクロ波背景輻射偏光に関する統一的な定式化を与えることに成功し、その非線形性による効果を完全に分離することが出来た。これにより、宇宙ひもが宇宙マイクロ波背景輻射偏光に与える影響を峻別することに利用することが可能となる。
また、アクシオンと呼ばれる物質は近年暗黒物質の候補として検討されているととともに、超高エネルギー物理現象のプローブとしても近年非常に注目を集めている。アクシオンは宇宙ひもと結合することから、宇宙ひものプローブとしても有用であると考えられるため、その観測可能性を探査することは本研究にとって重要となる。本研究では、アクシオンが磁場を伴うブラックホールのまわりに雲状の構造を取りえることに着目し、その摂動効果を解くことでアクシオンの雲状構造が崩壊していくことを初めて見出した。特に、先行研究においてアクシオンとブラックホールのシステムは超放射不安定性と呼ばれる効果により増幅すると考えられていたことから、それに相反する影響がある点において重要である。これにより、アクシオンの宇宙における発展の理解が大きく進展すると考えられる。
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Research Products
(8 results)