2017 Fiscal Year Research-status Report
Employment of modrn input physics for supernova simulastions
Project/Area Number |
17K14306
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
滝脇 知也 国立天文台, 理論研究部, 助教 (50507837)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ニュートリノ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では超新星爆発の機構の解明を目指し、入力物理のアップデートを行う。ニュートリノや重力波を放出する天体として、新しい天文学のターゲットとなる重力崩壊型超新星爆発だが、その爆発メカニズムは未解明である。数値シミュレーションで爆発を再現できていない。近年の3次元計算でうまくいきかけているが、爆発の強さという点では足りず、我々のシミュレーションは何かを見落としている。本研究計画では、入力物理のアップデートが現シミュレーションに足りない最後の1ピースなのではないかと期待し,改善する。 当該年度は特に核子散乱の効果などをアップデートした。この効果はニュートリノを原始中性子星から放出しやすくしニュートリノ加熱領域でのニュートリノ量を増加させるため、爆発にポジティブな効果があるとして、近年非常に注目を集めている。この効果を取り入れること自体はそれほど難しくはないが、爆発しやすくなるこの効果だけ入れるのは爆発メカニズムの研究として不誠実であり、他のニュートリノ反応も同様に精密化が必要であった。そちらに関しては非常に苦労したが、最終的には世界のグループと遜色なく、むしろ優れた部分があるニュートリノ反応セットにコードを拡張することに成功した(具体的には特に重元素が電子を捕獲してニュートリノを出す反応である。)。状態方程式に関しても最新かつ核力を生に使うという意味で現象論的でない状態方程式で計算することが可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超新星のマイクロフィジクスをアップデートするのは世界的な潮流ではあるが、当初予想してたようにニュートリノ反応や状態方程式に軽元素の効果を入れるという方向には進まず、核子散乱の断面積をアップデートする研究が世界中で行われた。これをしなければ世界と伍していけないため、そちらを優先することになり、そちらに関しては大きく研究が進展したが、本来計画していた軽元素をとり入れる研究は予定よりも進んでいない。これらのことを勘案し、(2)概ね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
ニュートリノの反応率や状態方程式がアップデートされ、本研究課題の本筋である軽元素の導入の準備は整っている。今後はそちらについても研究を進め、世界に先駆けた計算をおこないたい。
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Causes of Carryover |
研究項目の順番が変わったため、本予算で行う予定であった共同研究者との打ち合わせが2017年度には行われなかった。2018年度に改めて行う。
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