2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of non-destructive inspection device using cosmic-ray muon
Project/Area Number |
17K14315
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Industrial Technology Research Institute |
Principal Investigator |
武内 陽子 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 開発本部開発第一部電気電子技術グループ, 研究員 (40780987)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 宇宙線 / 非破壊検査 / ガス放射線検出器 / 放電抑制 / ガス電子増幅フォイル |
Outline of Annual Research Achievements |
宇宙線ミューオンの高い透過力を用いて、あたかもレントゲン写真のように火山や建物などの大規模構造物内部を非破壊検査する技術が注目されている。本研究は、(地独)東京都立産業技術研究センターが開発した絶縁層にセラミックを用いたガス電子増幅フォイル(LTCC-GEM)に注目し、ガス放射線検出器の飛跡測定を応用することで、リアルタイムかつ優れた方向決定精度を持つ、小型ミューオン検出器のプロトタイプ機開発を目指す。 本研究期間中に以下の2つの内容を行い、放電による破壊リスクが少ないLTCC-GEMを用いたミューオン検出器のプロトタイプ機の評価を行った。 研究内容①:問題となっていたLTCC-GEMの放電について、顕微鏡観察等から孔内部に金電極のゴミが多量に付着していることがわかり、放電の原因となりうると予想した。製造プロセスの見直しでゴミ除去した結果、改良LTCC-GEMの動作性能は従来品と同等で、放電数は1/10以下に抑えることに成功した。国際学会などの口頭発表で精力的に報告・議論を行った事で、LTCC-GEMの利点が認められ、国外を含む多くの研究機関で用いられ始めた。 研究内容②:小型ミューオン検出器のプロトタイプ機の設計・製作・評価を行った。プロトタイプ機はさまざまな試験に対応できるように、パーツの入れ替えができるように設計し、製作した。パーツを組み立てて、問題なくきちんと取り付けられること、およびガス漏れがないことを確認した。また、LTCC-GEMをセットして動作確認ができるかを行い、GEM印加電圧700Vでも放電でLTCC-GEMが壊れることもなく、放射線源(鉄55線源)の信号を検出した。
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