2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of Coherent Spectroscopic Methods using Dual-Comb
Project/Area Number |
17K14322
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
浅原 彰文 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 特任助教 (00770091)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 光コム / デュアルコム分光 / 超高速分光 / コヒーレント分光 / 光波制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,デュアルコム光源(位相同期された2台の光コム光源)を用いたコヒーレント分光法という新しい計測法の確立を目的として行ってきた.デュアルコム分光法は,これまで主に精密分子分光で用いられてきたが,光コムの特長である高いコヒーレント制御性を従来の適用範囲を越えて積極的に活用することで,コヒーレント光コム分光という新たな応用可能性の創出・開拓を目指す. 本年度は,まずデュアルコム光源のコヒーレント制御に関して,制御方式の検討および基礎特性評価を進めた.デュアルコム光源のコヒーレント制御は,(1)オフセット周波数fceoと(2)繰り返し周波数frepという2つの周波数パラメータを,精密に操作することで行った.このときfceo, frepの値に対して任意の関係性を与えることで,これまでにない多彩なコヒーレント変調法が実現される.このように高度に制御されたデュアルコム光源の利活用についての統一的な見解はこれまで報告されておらず,我々はこの光源利用に関して検討を進め,デュアルコム分光実験によって知見を収集した. 本研究で特に注目すべき知見は,2つの光コムのオフセット周波数の差に相当するΔfceoの制御が,デュアルコム光パルスの相対キャリアエンベロープ位相(相対CEP)の操作に対して有用であることを見出した点である.このΔfceoの積極的活用という概念の有用性を示すため,本研究では,デュアルコム分光における任意位相変調,偏光変調光コム分光,光渦コムの精密位相制御などを例として,さまざまなコヒーレント制御がデュアルコム光源の高速・高精度かつ自在な周波数パラメータ制御を介して達成されることを示した. また,当初予定していた半導体試料におけるフォトンエコー信号の観測をねらいとした,極低温デュアルコムコヒーレント分光の測定系構築も並行して進め,ベースとなる実験系の構築を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度は,「デュアルコムを用いたコヒーレント分光法」という主目的を実現するために必要な,「デュアルコム光源のコヒーレント制御方式」に関する多くの知見を得ることに成功した.特に,「オフセット周波数差Δfceoの積極的活用によるデュアルコム光パルスの相対CEP操作」という概念の提案は,精密な周波数基準という光コムに対する従来の捉え方を大きく越えて,新たな光波制御技術としての可能性を提示した点で重要な成果であった.本概念の実証実験として,光コムによって光波の偏光制御を行う「偏光変調光コム分光」や,光波の横モード制御を可能にする「光渦コム技術の開発」を遂行した.この研究はデュアルコム光源を任意制御された1台の光源として用いる一種の「光シンセサイザ的応用コンセプト」で,本来は次年度における展開を予定していたが,当初の予想を越えて大きな進展がみられた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は引き続き,デュアルコム光源のコヒーレント制御方式に関する知見拡大,およびそれぞれの測定対象に合わせたデュアルコム光源条件の最適化を進める. まず,これまで構築を進めてきた極低温デュアルコムコヒーレント分光測定系を用いて,当初予定していた通り,半導体試料におけるフォトンエコー信号観測およびコヒーレント制御をねらう.初年度において開発を進めてきたオフセット周波数差Δfceo制御の知見を生かし,取得されるフォトンエコー信号のコヒーレント制御の実証実験へ展開する.並行して,デュアルコム光パルスの相対CEP制御性を生かすことが可能な,その他の相対CEP光学現象の探索を進める. また,初年度に見出した光渦コムの概念を発展させ,光コム角度計測や軌道角運動量分光といった,新たなコヒーレント分光法の開発を進める.
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Causes of Carryover |
旅費や光学系構築のための消耗品整備費等を別予算と共通にすることができ,当初予定より予算に余裕ができたため次年度使用が生じた. 次年度は,開発した光コム実験システムを用いてさまざまな現象を試験的に観測していくことを予定している.研究の進捗に応じた実験システムの改良に必要な光学部品や装置の購入,および試料準備等に研究予算を使用することを予定している.
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] Scan-less confocal phase microscopy based on dual comb spectroscopy of two-dimensional-image-encoding optical frequency comb2017
Author(s)
Eiji Hase, Takeo Minamikawa, Shuji Miyamoto, Ryuji Ichikawa, Yi-Da Hsieh, Kyuki Shibuya, Yoshiaki Nakajima, Akifumi Asahara, Kaoru Minoshima, Yasuhiro Mizutani, Tetsuo Iwata, Hirotsugu Yamamoto, and Takeshi Yasui
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Journal Title
arXiv
Volume: 1705.07236
Pages: 1-32
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