2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K14326
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
延兼 啓純 北海道大学, 理学研究院, 助教 (60550663)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | スピン三重項超伝導 / トポロジー / 量子アノマリー |
Outline of Annual Research Achievements |
スピン三重項超伝導体Sr2RuO4における量子異常とそのトポロジーを明らかにするために、電子輸送測定により電場・磁場印加における量子ホール効果の測定を行った。これまでの研究において数十から数百ナノメートルの膜厚の試料を測定していたことから、本年度はさらに薄い試料を作製し、電子ビームリソグラフィーにおいて電極付けを行った。FIB装置で試料をホールバー形状に加工する前にまず作製した試料を低温まで冷却し、磁気輸送現象を調べた。また別の試料を用いて、イオン液体を用いた電気二重層ゲーティングによるキャリアドーピングの効果を調べた。測定結果はこれまで得られている量子抵抗が再現よく観測された。また、新しい興味深い電場・磁場依存性に関する実験結果が得られている。このことから次年度も継続してその詳細を調べていく予定である。 SrをCaに置換したCa2RuO4はバルク結晶で反強磁性モット絶縁体を示すが、圧力・電場等で多彩な基底状態になることが知られている。我々はSr2RuO4がスピン三重項超伝導を示すことからCa2RuO4の物性に興味を持ち、これまでのSr2RuO4微小単結晶のノウハウを活かしつつ、Ca2RuO4の微小単結晶の作成に取り組んだ。マイクロ・ナノスケールできれいな単結晶の作成に成功した。そしてSr2RuO4と同様にCa2RuO4においても輸送現象の膜厚依存性やバイアス電流依存性を調べたところバルクCa2RuO4とは異なる興味深い結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の想定よりも興味深い結果が得られており、現在のところ順調に進展している。特に、Ca2RuO4の微小結晶の作成に取り組み、興味深い成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はFIB装置を用いた試料への加工を行い、その量子輸送現象を調べていく予定である。
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Causes of Carryover |
本年度購入を予定していた電子部品の購入を翌年度に変更したため。
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Research Products
(17 results)