2018 Fiscal Year Annual Research Report
Amplification of higher-order QED process using coherence among atomic ensemble
Project/Area Number |
17K14363
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
原 秀明 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 特別契約職員(助教) (70737311)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 原子物理 / コヒーレント過渡現象 / 高次QED過程 / 素粒子実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、原子間コヒーレンスを用いて励起状態からの放射レートを増幅する技術を応用し、微弱な高次QED過程(E1三光子遷移、E1×M1二光子遷移)の放射を実現、観測することであった。この技術は、ニュートリノ質量の精密測定や、パリティ対称性の破れの精密測定に応用できるもので、標準理論を越えた物理の構築に手がかりを与える実験の基盤技術となり得る。 本研究は、コヒーレント増幅を記述するシミュレーションモデルの構築から始めた。具体的には、E1三光子励起によるコヒーレンス生成と、コヒーレント増幅されるE1×M1二光子放出、コヒーレント反ストークスラマン散乱型E1×M1二光子遷移を同時に記述できるMaxwell-Bloch方程式を導出し、数値シミュレーションコードの開発を行った。実際の実験では、標的準備が比較的容易なキセノン原子気体を用いることにした。基底状態と第一励起状態間にコヒーレンスを生成するのを目標として、波長298nmの光による二光子励起を行った。この遷移はE1×E1二光子遷移は禁制であるので、より高次の二光子遷移となる。励起光源は、非線形光学結晶を用いた波長変換等を利用して開発した。励起された原子数は、ポンププローブ法によって測定した。具体的には、第一励起状態から別の励起準位へ遷移させ、脱励起時に発生する蛍光量を測定し、レート方程式の計算と比較した。コヒーレンス生成のための励起と、励起原子数評価が可能になったことは、高次QED過程の放射の実現、観測に向けた重要な結果である。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Coherent two-photon emission from hydrogen molecules excited by counter-propagating laser pulses2019
Author(s)
Takahiro Hiraki, Hideaki Hara, Yuki Miyamoto, Kei Imamura, Takahiko Masuda, Noboru Sasao, Satoshi Uetake, Akihiro Yoshimi, Koji Yoshimura, and Motohiko Yoshimura
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Journal Title
Journal of Physics B: Atomic, Molecular and Optical Physics
Volume: 52
Pages: 045401~045401
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] ニュートリノ質量分光に向けたXe原子の多光子励起2018
Author(s)
佐藤帯子, 増田孝彦, 今村慧, 岡井晃一, 平木貴宏, 原秀明, 宮本祐樹, 笹尾登, 田代基慶, 植竹智, 吉見彰洋, 吉村浩司, 吉村太彦
Organizer
日本物理学会 第74回年次大会