2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of multiband imaging for planetary exploration by small deployable camera
Project/Area Number |
17K14380
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
石橋 高 千葉工業大学, 惑星探査研究センター, 上席研究員 (30551593)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 惑星探査用カメラ / マルチバンドカメラ / 小型分離カメラ / ハイパースペクトルセンサ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度中に発注していたハイパースペクトルセンサおよびそのセンサを評価するための評価システムが納入された.本研究の目的は,CMOSセンサ上に分光フィルタが積層されたハイパースペクトルセンサの評価を行い,このセンサを用いた小型マルチバンドカメラ実用化に向けた測定手法開発を行うことである.しかし,このハイパースペクトルセンサは非常に高価であるため,まずは評価システムの動作確認の意味も含め,ハイパースペクトルセンサのベースとして使用されているものとまったく同じ型番の安価なCMOSセンサを用いてベースセンサ部分の性能評価を実施した. その結果,大部分の性能についてはセンサのデータシートと一致することが確認できたが,飽和電荷量については入射光フラックスに依存して変化することが確認された.入射光フラックスが大きい場合にはデータシートに記載されている飽和電荷量に一致するが,入射光フラックスの低下に伴い飽和電荷量が低下することが判明した.これはデータシートには記載されていない現象であったが,その後の調査により,画素のトランスファーゲートの電流のリークにより整合的に説明できることがわかった.飽和電荷量は,マルチバンド撮像においてはデータのS/N比をどこまで稼げるかに直結する重要なパラメータであるため,入射光のフラックスを測定し,飽和電荷量との対応関係を明らかにした.これにより,実際の探査におけるマルチバンド撮像で想定される小惑星からの入射光のフラックスがわかれば,それに対する飽和電荷量を求めることができ,達成できるS/N比を知ることができる. これにより,ハイパースペクトルセンサの分光特性評価の準備が整った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
センサの評価システムが納入されたが,撮像画像が取得できない不具合が発生し,メーカに問合せ対処を施したが改善しなかったため,原因調査のために評価システムをメーカに送り返した.その結果,評価ボードからPCへと画像を取り込むためのグラバボードに初期不良があったことが判明し,修理を実施した.これらの一連の作業に約半年の時間を要したため,当初の計画通りに研究を遂行することができなかった.また,このように評価システム自体に問題点があったため,この評価システムを使っていきなり高価なハイパースペクトルセンサの評価を実施するのには不安があったため,まずはこのハイパースペクトルセンサのベースとなっている安価なCMOSセンサを用いてベースセンサ部分の性能評価を実施するという計画に変更した. 昨年度の時点で,評価システムの納期が非常に長く,納入が平成30年度にずれ込むという遅れが生じていたが,この不具合の発生と修理および計画の変更により,さらに遅れることとなった.
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Strategy for Future Research Activity |
ハイパースペクトルセンサのベースであるCMOSのセンサ基本性能評価が完了したため,ハイパースペクトルセンサの評価に移行する.分光特性の基本的評価を行った後,組成が均一で反射スペクトルが既知の試料(粉末試料のペレットなど)および,岩石試料や隕石試料の撮像を行い,それらを画像処理することで,マルチバンドデータにする.既知のスペクトルデータと比較することで,定量的に正しくマルチバンド撮像できているかどうかの評価を行う.これらの評価を通して,この新たなマルチバンド撮像方式を小型分離カメラに用いるにあたっての問題点や改善点を洗い出し,可能なものについてはその対策を講じる.最終的には,このハイパースペクトルセンサを用いた小型分離マルチバンドカメラの実現可能な基本仕様例を構築する.
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Causes of Carryover |
現在までの進捗状況に記載したとおり,センサの評価システムの不具合などにより研究の進行が遅れているため,それに伴い予算執行にも遅れが生じ,次年度使用額が生じた.分光性能評価に必要な光学系や測定試料といった実験の準備および学会発表のための旅費,結果をまとめた論文の投稿料として使用する予定である.
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