2020 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the snowfall mechanism in metropolitan areas in Japan toward establishment of highly precise precipitation classification method
Project/Area Number |
17K14394
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Research Institution | Japan, Meteorological Research Institute |
Principal Investigator |
荒木 健太郎 気象庁気象研究所, 台風・災害気象研究部, 研究官 (40636031)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 降雪 / 南岸低気圧 / 環境場 / シチズンサイエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は、予定通り観測データの取得・品質管理を継続し、事例解析等の研究を行った。 2018年1月22日の関東地方の大雪事例について、気象研究所「#関東雪結晶 プロジェクト」で得られたシチズンサイエンスデータ等を用いて降雪結晶特性を調査した。その結果、まず関東南部中心に沿岸前線上で発生した対流性の降雪雲から濃密雲粒付結晶の降雪が見られ、その後に南岸低気圧に伴う降雪に変化した。低気圧に伴う降雪では、一貫して交差角板状や砲弾状の低温型結晶に加え、角柱状や樹枝状の降雪結晶が混ざって降っていた。22日夜にはこれに加えて針状結晶も見られ、高層気象観測の結果から高度2~5kmの暖気流入に対応するものであると考えられる。 また、2016年11月~2021年3月に関東地方で発生した降雪現象について、特に霙と霰の大気下層の環境場に注目して解析を行った。その結果、南岸低気圧接近時に雨からみぞれ、雪へと変化する過程で、レーダーによりブライトバンドの高度低下が見られた。このときの降水種別の変化は地上気象観測データを用いた従来の雨雪判別手法が概ね当てはまっていたが、レーダーによる大気下層の観測データを利用することでより精緻に降水種別判別が行える可能性が示唆された。また、降水種別が対流性の降雪雲による霰の場合には、従来の雨雪判別手法が適用できず、比較的高温・乾燥した大気下層の環境場でも降雪が起こりうることが明らかとなった。霰を降らせるような対流性の強い降雪雲の場合にはレーダーの偏波情報を用いることで、精緻な降水粒子判別ができる可能性が示唆された。 これらの研究成果や本課題での取り組みについて、一般向けの講演会や取材、著書の執筆・刊行などを通して、アウトリーチ活動を行った。
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[Journal Article] 2019年度「エアロゾル・雲・降水の相互作用に関する研究会」報告2020
Author(s)
佐藤陽祐, 當房豊, 山下克也, 荒木健太郎, 岩崎杉紀, 三隅良平, 大竹秀明, 茂木信宏, 齋藤泉, 川合秀明, 中島孝, 中野諭, 森樹大, 橋本明弘, 郭威鎮, 勝山祐太, 瀬戸里枝, 古藤慎之, 山田怜史, 折笠成宏, 田尻拓也, 遠藤幸生, 近藤誠, 大畑祥, 松嶋俊樹
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Journal Title
天気
Volume: 67
Pages: 665-670
Open Access
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[Presentation] Development of novel ground-based microwave radiometer for earth science -results of the first measurements-2020
Author(s)
Ichikawa, R., H. Ujihara, S. Satoh, J. Amagai, Y. Ohta, B. Miyahara, H. Munekane, T. Nagasaki, O. Tajima, K. Araki, T. Tajiri, H. Takiguchi, T. Matsushima, N. Matsushima, T. Momotani, and K. Utsunomiya
Organizer
EGU General Assembly 2020
Int'l Joint Research
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