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2018 Fiscal Year Research-status Report

生体型ポルフィリンを用いる芳香族性の探求

Research Project

Project/Area Number 17K14445
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

米田 友貴  北海道大学, 工学研究院, 助教 (60756055)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywordsポルフィリン / ペンタフィリン / 生体型ピロール / 芳香族性 / 反芳香族性 / 環化反応
Outline of Annual Research Achievements

2年目においてはこれまでに合成していた共役系に加えて、新しいマクロサイクロとしてピリポルフィリン、ホモポルフィリンの合成を達成した。
ピリジン環がマクロサイクル中に含まれた拡張ポルフィリンの合成を行い、その化合物の物性に調査した。通常のピリ環拡張ポルフィリンにおいてはメゾ位のオキソ化が起こるため環状共役系が繋がらず芳香族性が達成されなかったが、ニッケル錯体を効果的に合成することがわかり、イオン認識などに用いることができる可能性がある。また、ピリジン環の3位がオキソ化されたピリドン部位をマクロサイクルユニットに用いることで、その芳香族性を発現させることができることが判明した。このマクロサイクルは極めて安定であり、特に近赤外領域に強い吸収帯を有するため、光線力学療法治療剤としての応用が期待される。
また、ホモポルフィリンの合成においては、新しいジヒドロ型のホモポルフィリンの合成と、その酸化反応についての検討を行なった。この過程において、ホモポルフィリンがポルフィリンへと変換される興味深い転位反応を発見した。
これらの研究に加え、年度途中において北海道大学工学研究院に異動したため、その環境を活かしてポルフィリン類縁体に止まらない新しい共役系の創製にも挑戦している。生体型ピロールの構成要素でもあるアセチルアセトン構造をあらかじめ酸化的カップリングによって多量化させたのちに環化反応を行い、その後共役系を繋ぐことによって反芳香族性を示す新しい環状構造を作り出すことを目指している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

新しい芳香族性を示す拡張型ピリポルフィリン類の合成に成功した。まず、熱力学的に安定なピリジン環と生体型ピロールとのカップリング反応を行うことで新しいオリゴピロールユニットを合成した。本化合物をピロールユニットと酸縮合させることによって、ピリジンユニットをそのπ共役構造に含む化合物の合成を達成した。この場合にはピリジンユニットの局所的な芳香族性によって環全体ではπ共役系としての性能が達成されないことが判明した。そこで、ピリジンの3位をオキソ化することによってあえてその6π共役系を弱めることで、環全体での22π芳香族性が達成されることを突き止めた。このマクロサイクルの性質について現在詳細な検討を行っており、極性溶媒中で芳香族性が強められること、近赤外領域に強い吸収を有し、光線力学療法治療剤として適していることを突き止めた。また、スルースペース共役系を有するとπ共役化合物の合成も達成している。これらについては今後その理論的検証を行い、論文によって発表する予定であり、概ね研究は順調に進展している。
これに加えて、北海道大学においてアセチルアセトンを用いた環状多量体の合成に挑戦し、その変換反応に挑戦している。多量体合成については様々な条件検討および共役系をつなぐ手法の準備を行い、新たな環状化合物を生み出すための準備を達成している。

Strategy for Future Research Activity

今後、環状構造のより詳細な物性についての調査を行う。スルースペース芳香族性に対する理論的な理解をさらに進めてゆき、その上で各種の反応についても考える。また、これらの物性を利用した光線力学療法治療剤などへの応用も試み、これらを社会へ還元できる可能性についても追求する。
さらに、マクロサイクル合成への異なるアプローチとして、アセチルアセトンを原料として用いて新しいπ共役系を完成させる。反芳香族性を示す巨大なπ共役系を生み出し、そのこれまでの芳香族性の理解にとどまらない、機能性分子や金属配位子としての応用可能性について探求を進めてゆき、さらに発展した化学につなげてゆく。

Causes of Carryover

年度の途中で北海道大学へ異動し、新しい環境下での研究を進めるために学会などへの出席数が予想よりも少なくなった。また、環境の変化に合わせた研究計画の練り直しが必要であったこと、新しい環境の設備を用いて研究を行うことができたことから、当初の予定よりも使用額は少なくなっている。さらに発展した研究テーマを行なっているため、3年目に多額の試薬代や計測費用が必要になると考えられる。加えて、これまで以上に本研究成果について発表を進めてゆく。

  • Research Products

    (2 results)

All 2019 2018

All Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] Synthesis of Expanded Porphyrins with Pyridine Subunits2019

    • Author(s)
      Tomoki Yoneda, Tyuji Hoshino, Masaaki Suzuki, Saburo Neya
    • Organizer
      日本化学会年会
  • [Presentation] meso- and β-Substituted Hybrid Pentaphyrins2018

    • Author(s)
      Tomoki Yoneda, Daiki Mori, Tyuji Hoshino, Saburo Neya
    • Organizer
      International Conference on Porphyrins and Phthalocyanines
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2019-12-27  

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