2018 Fiscal Year Annual Research Report
パーフルオロアルキル基を有するC3対称低分子量ゲル化剤の創製と機能開拓
Project/Area Number |
17K14452
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
島崎 俊明 千葉工業大学, 工学部, 准教授 (10452476)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 低分子量ゲル化剤 / パーフルオロアルキル基 / フッ素化溶媒 / モルフォロジー / XRD / レオロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
ベンゼン環の1,3,5-位にエステル結合を介して三つのパーフルオロオクチル基を導入した新規C3対象性ゲル化剤を合成した。また,1,3-位および1,4-位に二つのパーフルオロオクチル基を有するゲル化剤も同様に合成し,これら3種類のゲル化特性について調査する事を目的とした。 合成したこれら3種類のパーフルオロオクチル基および3種類の通常のオクチル基を有する化合物のゲル化能を調査した。その結果,パーフルオロアルキル基を有する3種類のゲル化剤は,通常の有機溶媒は一切ゲル化せず,フッ素化された溶媒のみを選択的にゲル化するという,極めて特異な性質を有することが明らかとなった。これらの中で特にC3対称性を有するゲル化剤は,Methyl 2,2,3,3,4,4,5,5,5-nonafluoropentanoateやHeptacosafluorotributylamineに対して,1.0wt%未満という,極めて低い臨界ゲル化濃度でゲルを形成する事が明らかとなり,フッ素化溶媒に対して極めて高い特異性を有することが分かった。 これらのゲルからキセロゲルを調整し,XRDによって配列パターンを調査したところ,これらのゲルはいずれも小角側で1 : 1/√3 : 1/2 : 1/√7の比のピークパターンが観測された事から,一般的なヘキサゴナルカラムナーパッキングによって集合していると結論付けた。 これらのゲルのレオロジーの温度依存性を測定したところ,42度でΔG'とΔG''の値が逆転した事から,このC3対象性ゲル化剤から調整されたゲルはおよそ40度程度までゲル状態を保持していることが明らかとなった。 FE-SEMによってこれらのゲルのモルフォロジーを調査したところ,通常の低分子量ゲル化剤で見られる繊維状構造は観測されず,代わりに大きな板状構造が観測された。これらの結果から今回のゲル化剤では,ゲル化剤同士の相互作用とゲル化剤とフッ素化溶媒との間の相互作用に大きな差が無いため,繊維状構造を形成しなかったものと予想される。
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Research Products
(3 results)